平成26年度補正 ものづくり・商業・サービス革新補助金 (通称 ものづくり補助金)申請書の書き方

当サイトは、すでに過去のものです。

最新の平成28年度補正 革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金 (通称 ものづくり補助金)申請書の書き方のサイトは、こちらから入ることができます。

当サイトは、平成26年度補正 ものづくり・商業・サービス革新補助金 (通称 ものづくり補助金)申請書を書く際の注意点とポイントをまとめたものです。

昨年までの情報を基に、初めて申請書を作成する際に戸惑うことや、見落としがちなことをまとめました。

ただし、これは採択結果を保証するものではありません

ご利用は各自の自己責任で行ってください

当サイトを利用したことで生じたあらゆるトラブルについて、当サイトは責任は一切負いません

平成26年度補正 ものづくり・商業・サービス革新補助金(通称 ものづくり補助金)について

平成26年度補正 ものづくり補助金とは、どのような補助金でしょうか。

過去の公募要領には以下のように書かれていました。

本事業は中小企業・小規模事業者が取り組む、試作品・新サービス開発、設備投資による新しいチャレンジを支援するものです。

(平成25年度補正 2次公募要領)

ものづくり中小企業の競争力強化を支援し、ものづくり産業基盤の底上げを図るとともに、
需要の喚起と好循環を促し、経済活性化を実現する。

(平成24年度補正 公募要領)

国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、認定支援機関やよろず支援拠点と連携して、革新的な設備投資やサービス・試作品の開発を行う中小企業を支援します。

(平成26年度補正 公募要領)
一般的に国の補助金は、企業の試作や研究開発に対して補助されるものが大半で、日常の生産活動に使用する設備が対象となること極めて限られています。

しかし、ものづくり補助金については、平成24年度補正 公募要領にあるように「中小企業の設備投資を促進し、景気を浮揚させる」という景気対策の側面があります。

そのため生産活動に使用する設備投資も、最大1,000万円までが補助金の対象となります。

これが、ものづくり補助金が人気の秘密です。

 

その一方で、補助金は採択により決定されます。

申請書の内容を審査して、評価点の高い申請が採択されます。

そう聞くと「うちのような零細企業ではとても無理」と思うかもしれません。

 

しかし現実には、1人で行っている零細企業でも採択されています。

中小企業が取り組む技術開発の多くは、技術的に高度な開発です。

しかし企業自身が、技術の高度な点に気が付いていません。

このことは多くの中小企業の申請書を見てきた私が自信を持って言えます。

 

一方で企業が自力で公募要領を見て申請書を書いても、

「革新的な設備投資」や「革新的なサービス・試作品の開発」

がしっかり書かれておらず、審査員に伝わらないことが多々あります。

あるいは審査員が求める内容が、書かれていなかったりもします。

自社のやっていることを審査員にきちんと伝え、審査員が求める内容をもれなく書けば、企業の方が作成しても、採択は十分可能と考えます。

企業の方が、このようなチャレンジをするのに、本ガイドが役立てば幸いです。

本サイトの構成

以下に本サイトの構成を示します。

1. 平成26年度補正 ものづくり補助金の概要
2. 申請書作成の取組方法
3. 申請書の書き方の流れ
4. 対象事業の決定
5. 対象事業が補助対象か確認
6. 自社の現状分析
7. 対象事業の特徴・差別化を記述
8. 技術課題の明確化
9. 事業の成果
10. 計画の具体化
11. その他の項目の作成
12. 申請書作成と注意事項

 

1. 平成26年度補正 ものづくり・商業・サービス革新補助金(通称 ものづくり補助金)の概要

「ものづくり技術」、「革新的サービス」と「共同設備投資」

平成26年度補正 ものづくり補助金には、「ものづくり技術」、「革新的サービス」、「共同設備投資」の3種類があります。

  • 「ものづくり技術」は「ものづくり高度化法」定める12分野の技術が対象で、多くの製造業が含まれます。
  • 「革新的サービス」は、上記12分野以外の、小売り、卸などの商業、飲食など様々なサービス業も対象となります。
  • 「共同設備投資」は、複数の企業が、共同で試作開発やプロセスの改善に取り組む事業が、対象になります。

事業の目的

平成26年度補正 ものづくり補助金の目的は、公募要領に以下のように書かれています。

「国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、認定支援機関やよろず支援拠点と連携して、革新的な設備投資やサービス・試作品の開発を行う中小企業を支援します。」

従って、この事業には革新的な設備投資やサービス・試作品の開発が求められます。

必要な要件

このものづくり補助金の対象要件は、公募要領には以下のように書かれています。

認定支援機関の全面バックアップを得た事業を行う中小企業・中小企業による共同体で、以下の要件のいずれかを満たすこと

【革新的なサービスの創出】

「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」で示された方法で行う革新的なサービスの創出事業であり、3~5年計画で、「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%以上の向上を達成する計画であること。

【ものづくりの革新】

「中小ものづくり高度化法」に基づく特定ものづくり基盤技術を活用した画期的な試作品の開発や生産プロセスの革新であること。

【協同した設備投資による事業革新】

複数の企業が共同し、ITやロボット等の設備投資により、革新的な試作開発やプロセスの改善に取り組むことで、共同事業体の3~5年計画で、「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%以上の向上を達成する計画であること。

〈ポイント〉

【革新的なサービスの創出】

「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」がポイントです。

ここに国の考えるサービス業の生産性向上のプロセスが詳しく書かれています。

これに従って書けば、事業計画を容易に作成できます。

革新的なサービスですから、革新的であることを訴える必要があります。

 

【ものづくり革新】

従来は、「他社と差別化し競争力を強化する」でしたが、今回は「画期的な試作品の開発や生産プロセスの革新」となっています。

開発においては「画期的であること」、設備投資の場合は「生産プロセスが革新的であること」が必要です。

 

【共同した設備投資による事業革新】

新しく加わったもので、「ものづくり高度化法」の定める12分野以外も対象となっています。

反面、「画期的な試作品の開発や生産プロセスの革新」で、

しかも「3~5年計画で、「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%以上の向上」が求められます。

また対象が組合、共同出資会社、社団法人となっています。

 

ものづくり補助金のタイプ

事業の類型と設備投資の有無から以下のように分類できます。

 

補助対象事業の類型と設備投資の有無

表1 補助対象事業の類型と設備投資の有無

 

※1 コンパクト型は、昨年の小規模事業者型と異なり、小規模事業者でなくても対象となります。

これはサービス業では、新しいサービスを創出するのに、高額な設備投資を伴わない場合を配慮したものと推測します。

〈注意点〉

  • 一般型は、設備投資以外の補助額は最大で500万円です。

例 1,000万円の補助を受けるのであれば、設備投資が500万円は必要です。

  • コンパクト型は、50万円を超える設備投資は不可です。

ものづくり技術では、「試作開発+設備投資」「設備投資」いずれも「画期的な試作品の開発」や「生産プロセスの革新」であることが求められます。

そのためには、「技術的課題」と「解決方法」を示し、「画期的」又は「革新的」であることを訴えなければなりません。

 

しかし中小企業が設備投資を意思決定する際に、「技術的課題」と「その解決方法」を意識することはあまりありません。

そのため、公募要領に沿って申請書を作成すると、この部分の訴求が弱くなってしまいます。

 

実は「技術課題」と「解決方法」を明確にするには、後述のプロセスが不可欠です。

 

審査基準

審査項目は、公募要領に以下のように明記されています。

(1)補助対象事業としての適格性

6ページ(3)に掲げる補助対象外事業に該当しないか。

(2)技術面

①新製品・新技術・新サービス(既存技術の転用や隠れた価値の発掘(設計・デザイン、アイディアの活用等を含む))の革新的な開発となっているか。

  • 【革新的サービス】においては、中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインで示された方法で行うサービスの創出であるか。また3~5年計画で「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成する取組みであるか。
  • 【ものづくり技術】においては、特定ものづくり技術分野の高度化に資する取組みであるか。
  • 【共同設備投資】においては、事業実施企業全体の3~5年計画で「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成する取組みであるか。)

② 試作品等の開発における技術的課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか。

③ 技術的課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか。

④ 補助事業実施のための体制及び技術的能力が備わっているか。

(3)事業化面

① 事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業が適切に遂行できると期待できるか。

② 事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。

③ 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。

④ 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性等)が高いか。

(【革新的サービス】においては、3~5年計画で「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成する取組みであるか。

【共同設備投資】においては、事業実施企業全体の3~5年計画で「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成する取組みであるか。))

※ 小規模企業者(28ページの「小規模企業者について」を参照。)の技術面・事業化面における体制については、小規模企業者の実態に見合った審査を行う。

審査は、公募要領に示された審査基準に基づき行われます。

その詳細は公開されていないため不明ですが、一般的には各審査項目を採点し、その合計で判定すると考えられます。

従って総ての審査項目に該当する内容が申請書に書かれていなければなりません。

 

申請書は非常に多くのことが書かれているため、審査員は審査項目に該当する内容を探すのは容易ではありません。

もし必要な個所を審査員が見つけることができなければ、不採択になってしまいます。

また素晴らしい事業計画を作っても、審査項目の内容が1個でも欠けていても不採択になります。

専門用語は避ける

審査は、外部有識者により構成される採択審査委員会において審査されます。

しかしものづくり補助金を申請する企業の事業分野は幅広く、自社の事業分野を良く知らない専門家が審査する可能性もあります。

そのため事業計画書に専門用語や業界用語が多いと、審査員が内容をよく理解できず、評価が低くなってしまいます。

特に業界固有の専門用語は、気付かずに使ってしまうので注意が必要です。

設備投資でも、技術開発が必要

また、審査項目の(2)技術面 ①②は、設備投資だけでは訴求するのが困難です。

従って設備投資であっても、技術開発の視点が必要です。

相対評価と考える

過去2年の採択率は、ほぼ40%で一定しており、審査は評価点の絶対評価でなく、採択率を基準とした相対評価の可能性が高いと考えます。

従って自社の事業計画がいくら良くても、他社がより良い事業計画を出すと採択されません。

他社よりも少しでも良い事業計画を作成することが、採択率を高めるためには必須です。

申請書の書式に従うと危険

一方申請書の書式は「応募のハードルを下げる」ために、非常にシンプルになっています。

しかしそのまま書いていくと、どこに審査項目に該当する内容が書いてあるのか、非常にわかりにくい申請書になります。

そこで審査項目の内容に沿った小見出しをつけて、審査員が容易に審査できる申請書がおススメです。

本ガイドの最後に申請書テンプレートのダウンロードへのリンクがあります。

2. 申請書作成の取組方法

ものづくり補助金の申請書を作成する場合の代表的な方法を紹介します。

(1) 自社で取り組む

本来申請書は企業自身が作成すべきものであり、可能であればこれが最適と考えます。

その理由は、申請書を作成するためには、「自社の強みを強化し、競争力を高めるような事業計画」を作らなければならないからです。

この事業計画を確実に実行し、その成果を自社の発展に役立てるためには、企業自らが事業計画を作成する必要があります。

ただし申請書は相当量の文章を書かなければなりません。

社員にある程度の量の文章を書く時間と文章スキルが必要です。

実は当初の申請の目的は、補助金を活用して設備を増強することかもしれません。

しかし申請書を作成する過程で、「自社の強みや競争力の強化」を考えます。

その結果本当に「自社の強みや競争力の強化」が実現します。

また一度申請書の書き方をマスターすると、そのスキルは他の様々な補助金にも活用できます。

一方で申請書の作成を第三者に丸投げすると、採択後、実施状況の確認のための資料作成や、実施状況の報告は煩わしい作業になります。

(2) 地域の支援機関・金融機関に相談

地域の商工会議所や商工会、県の産業振興センターなどの支援機関や、地域の金融機関によっては、申請書の作成を支援することもあります。

しかし支援の仕方は各機関により差があります。

 

何度も丁寧にアドバイスし、採択される自信が持てるまで修正を求めるところもあります。

一方  認定支援機関として、申請書の確認と押印だけのところもあります。

 

あるいは無料~低料金で、作成指導や作成代行をするところもあります。

事前に支援機関・金融機関に相談すると共に、すでに利用したことのある経営者から、情報を収集することをお勧めします。

 

申請書は、提出前に認定支援機関で事業計画の実効性を確認してもらわなければなりません。

ほとんどの金融機関、税理士、商工会や商工会議所などが認定支援機関になっていますので、そのいずれかにお願いできます。

 

又補助金が支払われるのは事業完了後です。

そのため補助金が支払われるまで、つなぎ融資が必要な場合もあります。

 

最大のポイントである技術的な課題の深耕には、自社の技術分野に対する知識が不可欠です。

その点を適切に指導してもらえるか事前に確認しておくことをお勧めします。

 

(3) 税理士、行政書士、コンサルタントなどに依頼

すでにこの事業も2年を経過し、税理士、行政書士、コンサルタントなどの士業の方で手慣れた方も増えました。

中には、手付金は少額で、後は成功報酬で作成される方もいます。

こういった方にお願いするのも一つの方法です。

費用については、数万円から補助金額の何%の成功報酬まで様々です。

 

注意点

自社で作成する場合も、第三者に見てもらうことをお勧めします。

ものづくり補助金は提出書類が多く、このうち一つでも不足すると返却されてしまいます。

提出前に「漏れがないかどうか、記入内容は合っているか」支援機関など第三者に確認してもらうことをお勧めします。

 

3. 申請書の書き方の流れ

ここでは自社で申請書を作成する場合のポイントと流れを説明します。

「ものづくり補助金は、折角設備投資に使えるのだから、この機会に新たな設備を入れたい」

というケースは非常に多いです。

しかし設備投資だけであっても、事業の革新性が求められます。

 

その場合は、先に設備を決めて、それを基に事業の革新性を考えます。

(順番からいうと逆ですが、この方が現実的で考えやすいです。)

以下に、事業全体の流れを図1に示します。

事業全体の流れ

図1 事業全体の流れ

 

補助金の意外なメリット

ものづくり補助金は、採択後は国が事務機関を通じてフォローします。

そのため計画的に実行せざる得なくなります。

さらに5年後の売上の増加までフォローされます。

従って経営目標にリンクさせれば、事業計画を売上の増加に役立てる事ができます。

逆に売上増加や高度な技術的課題の解決が、採択の為の手段(方便)であると、

事業計画は経営目標とはかい離し、採択後の様々な事務手続きは、煩わしいだけになります。

では、「革新性の高い事業計画を作成するためには、どうしたらいいか」

そのフローを以下に示します。

申請書作成のフロー

図2 申請書作成のフロー

4. 対象事業の決定

補助対象事業を明確にします。

意外なことに、お金をもらうことが優先されて、

事業として何をやるのかが明確になっていなかったり、

購入する設備の価格によって事業が変化する企業もあります。

 

そこでまず何をやるかを明確にします。

 

この段階では、本音で書いてかまいません。

まだ内容を細かく決める必要はなく、申請書のような体裁の良い文章も必要ありません。

〈事業のテーマ〉

ここでは本当にやりたいことを書きます。

例 CAMソフトの購入

注意 これ以降に示す例は、内容をイメージするために作成した架空の事例であり、技術的な根拠は全くありません。

 

〈設備(価格)〉

購入する設備や付属品です。

例 CAMソフト**、パソコン**

パソコンは補助対象外ですが、この段階では必要なものを全て挙げます。

〈やりたいこと〉

設備を導入して、やりたいことです。

例 CAMソフト**を導入して、3Dデータから短時間でプログラミングしたい。

 

〈効果〉

設備導入した効果です。

例 顧客から送られた3Dデータから短時間でプログラミングできる。作業者が製品を加工中に次の製品のプログラムができる。

 

5. 対象事業が補助対象か確認

やりたい事業が補助対象事業か確認します。

設備投資の有無、試作開発の有無で申請可能な金額や申請する補助金のタイプが変わります。

設備によっては、補助期間中に導入できなかったり、終了間際に納入されることがあります。

その場合、設備導入後の短い期間に技術課題の解決に取り組むのは困難です。

〈申請枠〉

革新的サービス 一般型 □ 試作開発+設備投資  □ 設備投資のみ         コンパクト型 □ (設備投資は50万円以下)
ものづくり技術  一般型 □ 試作開発+設備投資  □ 設備投資のみ
共同設備投資   □ 試作開発+設備投資  □ 設備投資のみ

 

〈事業の時期〉

昨年の実績から推測すると、6月末に採択が決定しても、「交付申請」に手続きに2か月ほどかかるため、事業開始は9月初旬からと予測されます。

対象期間 

設備導入時期

 

〈ものづくり高度化法〉

「ものづくり高度化法」の定める12分野の技術のどれかを確認します。

「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針の本文を見て、「該当する技術」と「高度化目標」は、本文にあるものを選択します。

ずばりない場合は近いものを探しますが、無理にこじつけると「該当しない」と判断される危険があります。

この「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」は、申請書で「技術の背景」「将来の展望」や「市場ニーズ」を書く際に参考になります。

12分野の(                             )に該当

 

〈革新的サービス・共同設備投資〉

この段階では正確な原価計算ができませんから、およその売上目標を立てるだけでも良いです。

 

〈資金調達〉

自己負担分(     万円)の資金、補助額(       万円)のつなぎ融資が
受けられる

採択された場合、補助対象金額のつなぎ融資は多くの金融機関が応じます。

しかし自己負担分の  融資は金融機関の判断によります。

従って事前に金融機関に相談することをお勧めします。

 

申請には過去2年分の決算書を提出する必要があります。

債務超過や営業利益が赤字の場合は、申請書の中で、補助事業を確実に遂行できるという財務的な裏付けや、過去の赤字の背景を説明し、補助事業の支障がないことを訴えます。

 

支援機関に相談する場合は、ここまで明らかにしてから相談します。

ここまでの内容があいまいだと、支援機関も適切なアドバイスが出せません。

最低限「何の目的で」「何を」「いくらで導入したいか」は決めておく必要があります。

 

6. 自社の現状分析

まず自社の現状を明確にします。

〈自社の事業〉

既存の自社の事業を書きます。

例 プラスチック成型用の金型の設計製作、金型の補修、補修部品の製作

 

〈商品・サービス(製品・部品)〉

既存の自社の商品やサービスを書きます。

例 金型は、主に自動車の制御機器のケース、ハーネスの固定部品など

〈技術の特徴〉

自社の技術の特徴を分かる範囲で書きます。

例 専任のCAMオペレーターがプログラミングすることで、機械を止めずに次の加工の準備ができる。熟練した作業者が、1人1人責任を持って出荷まで担当している

 

 

〈顧客〉

自社の顧客を書きます。

例 顧客は大手自動車部品メーカーD社の下請けのY社

 

〈顧客の要求・ニーズ〉

自社の顧客のニーズを書きます。

例 顧客のニーズは、海外生産の立ち上がり時間を短くするために、トライの回数を 1/2にすることである。製品のコストダウンの為に、樹脂成形時間を20%短縮することである。

 

〈競合〉

自社の競合(同業者)を書きます。

例 Y社と取引している金型メーカーは、当社以外に5社である。そのうち当社が担当している制御機器のケース、ハーネスの固定部品などの小物部品の金型は3社である。

〈強み〉

競合に対する自社の有利な点・強みを分かる範囲で書きます。

申請書を書く際に重要なポイントです。もし強みが見つからなかったら、以下のような切り口で考えて見て下さい。

ヒント

  • 他社がやってなく、自社がやっていることは?
  • 顧客から良いと言われたことは?
  • こだわって行っていることは?
  • 機械の性能以上に使いこなしていることは?
  • ベテランでなければできないことは?
  • 過去に顧客から要求されて、苦労しながら実現したことは?
  • 品質、精度、納期、コストなどで独自に工夫したことは?
  • 特殊な工具、治具、組み立て方法、加工方法はないか?
  • 素人でもできるように工夫したことはないか?
  • 自社の前工程や後工程を取り込んで一貫生産していることはないか?

強みや競合については、SWOT分析などのフレームワークを使う方法もあります。

フレームの枠組みの中で考えると、浮かんでくることがあります。

SWOT分析の参考サイト

ただし、この作業は自社の技術について理解が必要です。

 

図3 SWOT分析

例 ・自社に成形機があり、出荷前に自社でトライを行っている。
・切粉の排出性の高い横型マシニングセンタが2台あり、夜間無人で加工している。
・溶接肉盛りの熟練者が一人いて、金型を分解せずに肉盛り・研磨することで、短時間で
修理ができる。
・焼嵌めチャックを使用することで刃物の振れ精度が高く、仕上げ面の表面粗さが良い。

ここから現状の自社の事業上の課題を考えます。

事業上の課題とは、「受注単価が減少し利益率が低下した」などの現在の事業において経営にかかわるような課題です。

この段階では、考えられる課題をできるかぎりリストアップします。

〈事業上の課題〉

例 金型の受注単価が低下し、利益率が低下している。ハーネスの固定分の金型は、中国製の金型の品質が向上し、顧客も一部中国製金型を導入し始めた。
より高付加価値の金型を受注し。利益率を改善する。
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7. 対象事業の特徴・差別化を記述

補助事業の内容を具体的に決めます

〈補助事業の目的〉

これにより、先のどの事業課題を解決するのか考えます。

例 新型CAM**を導入し、プログラミング時間を1/2に短縮し製造コストを下げる。
金型設計からプログラミング、加工、計測までデジタルデータで行うことで、加工精度のフィードバックを行い、加工精度を高める。これにより、今後需要の増大が見込まれる電装品のハウジングの金型など、高付加価値の金型を受注し、利益率を改善する。

 

〈補助事業の内容〉

例 新型CAM**を導入し、加工中に次の製品のプログラミングを行い、プログラミング時間を1/2に短縮する。
CAMの導入に合わせて、3D CADで金型設計を行う。
3Dスキャナーを導入し、完成した金型の形状を測定し、3D CADデータと照合する。
その結果をプログラミングに反映し加工精度を向上する。

〈今までの自社の取組と異なる点〉

この事業が今までやってきたことと違う点を書きます。

これが自社の競争力の強化につながります。

例 金型加工条件は熟練作業者が形状に合わせて設定しており、機械の稼働率は熟練作業者によって決まるCAM変換したプログラミングでそのまま加工できれば、経験の浅い作業者でも加工することができ、機械の稼働率が向上する。

 

〈競合他社の違う点〉

自社の差別化と競争力強化となる点を書き出します。

例 当社が扱う精密な金型で、まだCAMから加工した仕上げ面を手で磨いて修正することなく完成しているところはまだない。手による磨きなしで完成できれば、加工精度は向上し、加工時間は短縮し、熟練作業者の負担が軽減し生産性が向上する。

 

〈この事業の結果、顧客の新たなメリット〉

顧客にとって、新たにどんなメリットがあるか書きます。

 

〈自社の業界、地域、その他周囲にどのようなプラスの効果があるのか〉

(まだ分からなければ空欄で可)

 

ここまで記入すると、今回の事業により他社と差別化し、自社に新たな強みをもたらすイメージができます。

8. 技術的課題の明確化

この事業が革新的と判断されるためには、高度な技術的課題を解決し、他社と差別化することを訴える必要があります。

ここが採択に非常に大きな影響を及ぼします。

技術的課題はできれば1点でなく複数必要です。

 

ただし多すぎると対象期間内に本当に解決できるのか、疑問を持たれますので注意してください。

〈技術的課題〉

何かを導入して解決できるのではなく、さらに工夫して解決します。

「事業課題を達成する為には○○の技術的課題(問題)がある。

そこで『〇△を〇×して工夫する事』で解決する。」

 

「〇△を〇×して工夫する事」で革新的であることを訴えます。

例 CAMで生成したプログラムで加工すると、残った切粉が絡んで加工面に傷をつけてしまい、仕上げに磨かなければならない。
横型マシニングセンタでもX部の加工でどうしても切粉が残ってしまう。

〈達成目標(できる限り数値化)〉

数値化できない場合、定性的な判断基準を入れます。

例 加工面の表面粗さ 2μm以内(Rz)現状、5μm

 

〈解決方法〉

創意工夫した方法です。

例 加工条件を見直し、途中で2回刃具を一度戻すことで切粉を落とす。次の加工に移る前にクーラントを2秒間吹き付け、切粉を飛ばす。

 

〈優位性〉

自社の強みを強化し、競合に対して優位となる点を書きます。

例 当社が扱う精密な金型で、まだ手による磨きなしで完成しているところはまだなく、競合に対し、より正確な形状精度と短時間の加工を実現する。

この技術的課題の考え方のより詳細な具体例については、こちらのサイトに参考資料があります。

9. 事業の成果

事業の費用対効果を訴えます。

補助金を投入し事業を行っても、その成果が補助金の額と同等では、費用対効果が低いと判断されます。

〈補助金の金額〉

補助対象金額の合計

 

〈売上の増加額〉

5年間の売上と利益の増加計画

5年間の売上と利益の増加計画 表2 5年間の売上と利益の増加計画

 

〈費用対効果〉

5年後の対象製品売上高/補助金金額=     倍

10. 計画の具体化

開発体制を決めます。

〈社内〉

総責任者と責任者、各活動担当者と経理責任者を決定します。

担当者は開発を遂行する実務能力を問われるため、それを明記します。

総責任者 代表取締役 経済次郎 開発責任者 取締役工場長 経済三郎

開発従事者 ○○○○ ○○○○ 経理部門責任者 ○○○○

自社の技術的能力の現状

氏名 役職 開発の担当内容 開発に関連する経歴
○○○○ 班長 溶接 ○○年
○○○○ 主任 設計 ○○年

 

 

〈社外〉

高度な技術的課題の解決には、自社だけでなく、外部の専門家も必要になるときがあります。

また完成した技術の評価を、顧客に行ってもらう場合は、それも書きます。

ただし外部への委託があまりに多かったり、カギとなる開発を外部に委託していると、

自社の開発でなく、単に外部への委託業務と判断されてしまいます。

 

図4 社外との開発体制 図4 社外との開発体制

〈導入する設備〉

導入する設備を全てあげます。設備投資の対象となるのは50万円以上です。

 

〈具体的な工程〉

開発の各工程を時系列に書きます。

導入する設備、社内・社外の関係者、技術的課題の解決は、全て入れます。

 

〈日程〉

最後に日程を決定します。

表3 日程表

表3 日程表

補助事業実施期間      交付決定日より   ヵ月間を予定

11. その他の項目の作成

〈市場ニーズ〉

先に書いた顧客の要求・ニーズから、自社の市場と市場ニーズを書きます。

 

〈市場シェア〉

自社の市場シェアを書きます。

分からないことが多い場合、以下のようにしてフェルミ推定を使って求めます。

フェルミ推定とは、ウィキペディアによると

フェルミ推定(フェルミすいてい、Fermi estimate)とは、実際に調査するのが難しいようなとらえどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することを指す。

自動車のシート部品(リクライナ、アジャスタ)を製造しているA社の市場シェア

シート部品の市場は日本自動車工業会の調査によれば、シート部品(リクライナ、アジャスタ)の市場は、1,694億円である。

参考 平成23自動車年度 部品出荷動向調査結果(日本自動車工業会)

  • このうちリクライナが30%と推定すると、508.2億円
  • リクライナのうち自社の製造するリクライナ部品は20%と推定すると、102億円
  • 自動車メーカーT社の国内市場シェアが、50%なので、51億円
  • 自社の主要取引先 自動車部品メーカーB社のT社におけるシェアは40%なので20億円

自社の売上が6億円なので、自社のB社のシェアは30%

自社の国内市場シェアは、30%×40%×50%×20%=1.2%

このように部品メーカーでは、非常に低い数字になることがあります。

しかし市場シェアが審査対象になっているため、分からない場合はこのような考え方で計算します。

 

あるいは市場規模の推移を示したグラフや、競合製品との違いを示したポジショニング・マップなども良い方法です。

または市場を自社の影響が及ぶ範囲に限定して考える方法もあります。

 

〈賃金上昇への取組〉

賃金上昇の取組が審査の対象に入っていますので、今までの取組と今後の計画を書きます。

これには実績の分る資料の提出が求められます。

 

① 前年の教育訓練費支出総額が給与支給総額の1%以上

例 従業員30人 前年の給与支給総額1億5千万円の場合 150万円

 

② 平成26年の給与支給総額が平成25年と比較して1%以上増加

平成27年の支給総額を26年と比較して増加させる計画

 

下記のように表に記載するとわかりやすいです。

実際は従業員の退職や業務の繁忙による残業の有無により、年間の給与支給総額は変わります。

賃上げを実施したにもかかわらず、これらの事情により年間の給与支給総額がマイナスした場合は、

公募要領30ページに載っている

「年間支給総額に含めることができる金額」と「含めることができない金額」に分けて計算すれば

正確な賃上げが算出できます。

(ただしこれを計算するだけで大変ですが。)

平成25年と26年の給与支給総額の比較

平成25年 平成26年 増加率
  %

 

また、平成26 年についても、***が見込まれるため、給与支給総額を引き上げる予定である。

平成26年 平成27年 増加率
  %

 

③ 平成27年の支給総額を26年と比較して1%以上増加させる計画を有し、従業員に表明

 

賃上げの計画は、上記②で書かれていれば良いです。

平成27年は実績がないので、従業員に表明した記録を提出します。

多くの場合、賃上げを明記した紙に経営者と従業員の印を押して、証拠とします。

 

12. 申請書作成と注意事項

申請書を作成する際に、全体のストーリーは以下のように考えると、審査員に伝わりやすいです。

 

図5 申請書全体のストーリー 図5 申請書全体のストーリー

申請書作成上の注意点

  • 審査者は専門技術に詳しいとは限りません。業界用語や専門用語は、できる限り減らし、どうしても必要な用語は、注釈を追加します。(言葉の意味が分からなければ、事業の革新性が審査員に伝わりません。)
  • 主語+述語、又は 主語+目的語+述語 のシンプルでわかりやすい文章を心がけます。長い文章は、意味を読み違えたり、作成者の意図が伝わらなかったりします。学会誌などに掲載される学術論文は参考になります。
  • 完成後は、第三者に読んでもらい、意味がちゃんと伝わるか確認します。できれば専門知識のない人に読んでもらうと良いです。
  • 内容は論理的に整合が取れるように注意します。例えば「AはBである」、「BはCである」、「故にAはCである」となるようにします。時々「AはBである」、「BはCである」、「故にAはDである」と論理がおかしくなっている申請書があります。特に技術課題の説明では、内容に気を取られて、論理がおかしくなっていることがあるので注意してください。
  • 技術内容を言葉で説明するのには、高度な文章力が必要です。できる限り図や写真を多用して、視覚的に内容を伝えるようにします。
  • 審査項目を良く理解し、審査項目に該当する内容をあまさず書きます。
  • 証拠資料の提出が必要なものは、忘れずに添付します。
  • 申請書の記述は、審査項目をすべて小見出しにすると、審査委員の見落としを減らすことができます。参考までに小見出しの例を以下に示します。

その1:画期的な試作品の開発や生産プロセス革新の具体的な取組内容

【当社の主な事業と業界の動向】

【主な顧客】

【当社の強み】

【本事業で行なうこと】

【課題解決のための技術的能力と社内体制】

【事業化のための社内体制(事務処理能力面)】

【課題解決のための体制(社外)】

【本事業における技術的な課題、解決方法、具体的な目標と優位性]

< 技術的な課題 ① >

< 解決方法 ① >

< 具体的な目標(定量的・定性的) ① >

< 優位性 ① >

【12分野の技術との関係性】 又は【新製品・新技術・新サービスの革新性】

< 技術課題 >

< 12の技術分野 >

<川下製造業者等の共通の課題及びニーズ >

< 高度化目標 >

【主な工程ごとのスケジュール】

【具体的な取組内容】

【当社の最近の財務状況と資金調達の見込み】

その2:将来の展望(本事業の成果の事業化に向けて想定している内容及び期待される効果)

○概 要

【本事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模】

  • 本事業の成果の事業化が寄与するユーザーは、…
  • 本事業の成果の事業化が寄与するマーケットは、…
  • 本事業の成果の事業化が寄与する市場規模は、…

【本事業分野における市場ニーズ】

【本事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有すこと】

【本事業による経営資源蓄積の効果】

【賃金上昇への取り組み】

【地域経済と雇用創出に期待できる効果】

○事業計画(会社全体の計画を記載してください。)

【事業の費用対効果(補助事業終了後5年間の事業化スケジュール)】

【会社全体の売上計画】

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ものづくり補助金申請書作成ガイド サンプル1

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また当サイト管理者は、申請書の作成代行業務は行っていないことを、ご理解願います。

 
 

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