2050年、日本は世界の中に埋もれるのか。36年後の世界を統計データから読み解く

「ジャパン・アズ・ナンバー1」といわれ、

かつて世界から称賛された日本経済。

しかし今やGDPで中国に抜かれ、かつての勢いもなく…

これから日本はどうなっていくのか。

2014年初頭、私が大胆に予測しました。

 

予想材料は、公開されている未来の経済規模と人口動態予測です。

これらのマクロ指標は、高い確率で信頼できると思います。

では、ここから16年後、2030年はどうかというと、

 

金融機関シティグループが2011年に行った予測では、

GDPの順位は、

1位 中国

2位 アメリカ

3位 インド

4位 日本

5位 ブラジル

です。

 

えっ、日本はインドに抜かれる。

さらに2050年では

1位 中国

2位 インド

3位 アメリカ

4位 インドネシア

5位 ナイジェリア

 

8位 日本

なんと、日本がナイジェリアに抜かれています。

 

GDPはその国が稼いだ付加価値の総和ですから、人口が多いほどGDPは多くなります。

(というか人口が多い国はGDPが大きくないと同じ暮らしができない。)

そして、2050年には、世界の人口は93億人と大きく増えています。

 

そこで2050年の人口の順位

1位 インド     16.9億人

2位 中国 13.0億人

3位 アメリカ    4.0億人

4位 ナイジェリア  3.9億人

5位 インドネシア  2.9億人

6位 パキスタン   2.8億人

7位 ブラジル    2.2億人

8位 バングラデシュ 1.9億人

9位 フィリピン   1.6億人

10位 コンゴ     1.5億人

10位以下に、エチオピア、メキシコ、タンザニア、ロシア、エジプト、ベトナムと1億人以上の国が続きます。

日本は、9700万人で世界17位になります。

 

そこで、GDPを人口で割った一人当たりのGDPを比較すると、

2030年のGDPトップ5の国民一人当たりのGDPは、

1位 中国    41,000ドル

2位 アメリカ  99,000ドル

3位 インド   16,000ドル

4位 日本    79,000ドル

5位 ブラジル  40,000ドル

16年後の2030年、一人当たりの豊かさでは、

中国、ブラジルはまだ日本の半分、

インドに至っては日本の1/5です。

 

2050年のGDPトップ5の国民一人当たりのGDPは、

1位 中国     158,000ドル

2位 インド    107,000ドル

3位 アメリカ   181,000ドル

4位 インドネシア 157,000ドル

5位 ナイジェリア 109,000ドル

 

8位 日本     169,000ドル

 

2050年になると、中国、インドネシアの人たちも日本と同じ豊かさになります。

もし富の分配が日本より不均衡であれば、

中国やインドネシアはお金持ちはより日本よりお金持ちに、

貧しい人は日本より貧しくなるでしょう。

 

ここから、将来について、こう言えます。

・今後新興国の経済規模が拡大し、日本の国際的地位は相対的に低下する。

・16年後でも、中国、インドは日本より一人当たりの豊かさで劣る。つまり日本より安価な労働力を提供できる。

・購買力が高まり、市場としての魅力が増大する。現状の中国は富の分配が日本より不均衡なので、このままいけば高額品は日本よりよく売れる。

・36年後には、アジア、アフリカの国が経済力をつけ、市場規模が2.8倍になる。

・日本は経済規模、市場規模からみて世界の多くの国の中の1国に過ぎなくなる。

・一方豊富な人口を持ち、日本より安い労働力を提供する国が、続々とあらわれる。現在アジア各国の人件費は上昇しているが、一部の国を除いて日本に追いつくことはない。

 

この結果から、今後のモノづくり中小企業の経営に対して、以下のことが言えます。

・今後日本に残るモノづくりは、新興国ではできない高付加価値品だけである。(素材、製品)

すでに新興国との価格競争に陥っている製品は、革新的な技術や商品品がないと勝てない。

・新興国が圧倒的な購買力を持ち、市場の主役になる。

当面は普及品、低価格品の市場が大きいが、直に高価格品も大きな市場になる。

・自動車などの大手企業の海外移転は、ますます加速する可能性が高い。

未来は、インドネシアやナイジェリアの富裕層がグッチやシャネルを買い、自家用ヨットを所有しているでしょう。

日本のモノづくりが生き残るには、彼らに高い価格に見合う商品やサービスを提供する必要があるでしよう。

 

高級路線を考えたとき、日本企業は大きな失敗をしているのではないでしょうか。

それはソニーやキヤノンなど多くのメーカーが、新興国で生産したローエンド品と日本で生産した高級品を同一ブランド(ソニー、キヤノン)で販売していることです。

そのためか、外国人は秋葉原で日本製かどうか確認して買っています。

 

「日本製=プレミアム」路線でいくなら、純日本製は別のブランドを作るべきです。

日本でしか販売しない、あるいは海外でも特別な店でしか販売しない高級ブランドを作るべきです。

例えばトヨタのレクサスみたいに。

「てそういった付加価値の高い製品で使用する部品を高い技術の日本の中小企業が支える」

これが将来の日本の目指す姿ではないでしょうか。

例えば、かつて僕たちが憧れたライカのカメラ、JBLのスピーカー、ドゥカッティのバイクのように。

 

30年先を考えることで、変わる経営についての記事は、こちらから参照いただけます。

 

30年先を考えるために高度成長時代の不況について振り返った記事は、こちらから参照いただけます。

 

 

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