短期間で利益が増える3つのポイント 無料pdfダウンロード
なぜ儲からなくなってきたのか?
日本のものづくりを支えてきた中小企業、その多くは大手企業の部品や製品を製造する下請けです。
テレビや雑誌などマスコミは、下請け企業の経営が苦しいことを伝えています。

図1 大中堅企業と中小企業のROAの比較
(備考) 1. 財務省「法人企業統計季報」により作成。後方4四半期移動平均
2. 大中堅企業は、資本金1億円以上の企業。中小企業は資本金1千万以上1億円未満の企業
3. ROA(総資本営業利益率) = 営業利益/総資本 (総資本 = 負債+特別法上の準備金+純資産)
4. 内閣府ホームページ 日本経済2015-2016 (-日本経済の潜在力の発揮に向けて-)より引用
図1は、中小企業と大中堅企業のROA(総資本営業利益率)を比較したものです。
実は、製造業ではバブルが崩壊した1992年頃まで、中小企業の方が大企業よりROAは高かったのです。
中小企業の多くが下請けと考えると、かつて下請けは儲かっていたと言えます。
ところが2000年以降、中小企業のROAは大中堅企業より低くなってしまいました。
カイゼンで利益は増える?
多くの中小企業は、これまで設備投資による合理化やカイゼンの努力をしてきました。
にもかかわらず利益率は改善されません。
どうしたら再び儲かるようになるのでしょうか?
ここで儲かるとは、「決算書の利益が増えること」です。
多くのカイゼンの本は、カイゼンの効果として「作業時間の短縮○○分、生産性向上○○%」などと書いてあります。
ではカイゼンの結果、利益は何%増えたのでしょうか?
カイゼンの効果を利益に結びつけるには、3つの方法しかありません。
- 受注量を増やす
- 残業時間を減らす
- 社員を減らす
いくらカイゼンをしても①~③のどれも行わなければ利益は増えません。
現実には、少ない人数でものづくりを行っている中小企業では、作業時間を3分短縮しても人を減らせません。
残業時間も、作業者は残業手当が減るためになかなか積極的に減らそうとしません。
その結果、カイゼンして作業者は楽になりますが利益は増えません。
苦境の原因は、下請けと取引先の力関係の変化
ではどうしたら良いのでしょうか?
昔は大企業が求めるQCD(品質、コスト、納期)を満たす中小企業は多くなく、そのため下請けは今ほど弱くありませんでした。
大企業は目標の生産を達成するために、既存の下請け企業に増産を依頼したり、新たな下請け企業を開拓したりしていました。
私もサラリーマン時代、下請け企業を回って増産のお願いをしたことがあります。
しかし、円高、バブル崩壊、大企業の海外進出により、下請けを取り巻く環境が変わりました。
国内の生産量は減少、下請けに出す仕事は減り、下請けは供給過剰になりました。
1990年代には、多くの家電製品の工場が海外に移転しました。
2000年頃、家電製品のある下請け企業に行きましたが、工場は人がほとんどいなくてガラガラでした。

国内の製造業は減少し、下請けは仕事を求めて…
(写真はイメージであり、記事の内容とは無関係です。)
このような現象は日本各地で発生し、多くの下請け企業は仕事を求め、企業の引き合い案件に対する価格競争が激化しました。
大企業の求める価格が低すぎて今までの取引先が断っても、どこかの下請け企業が安い価格で受注しました。
そのため発注先の大企業は、無理な価格を提示することができました。
2010年以降、潮目が変わった!
このような状況が20年以上続きましたが、近年変わってきました。
低すぎる価格に疲弊した下請け企業の廃業が増えました。
経営者は高齢化、設備は老朽化し、後継者のいない下請け企業は、事業継続を断念するようになったのです。
また、メッキ、熱処理などは、1社からの受注では量が少なすぎるため、多くの下請け企業の受注を集めて成り立っています。
しかし地方では、廃業により受注量が減少し、メッキ、熱処理の企業も廃業するようになりました。
その結果、地方では一貫したものづくりができなくなりつつあります。

今地方では一貫したものづくりができなくなり…
(写真はイメージで記事とは無関係です。)
一方、円安や海外の人件費高騰で国内回帰する大企業も出てきました。
しかし大企業からの受注に応えられる下請けは限られるようになってきました。
潮目の変化を捉え、しなければならないこと
それでも多くの下請け企業は、利益のほとんど出ない金額で受注しています。
今、やらなくてはならないのは、このような顧客の状況を見極めて、利益が出る適切な価格を探ることです。
そしてその価格で売る交渉力を高めることです。
そこで、短期間で利益が増える3つの方法をまとめました。
この方法は
- 誰でもできる
- すぐできる
- しかし多くの企業がやっていない
方法です。
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