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【原価計算と見積の基礎】6.設備のアワーレートの計算方法(2)

 
【原価計算と見積の基礎】5.設備のアワーレートの計算方法(1)ではアワーレート(設備)の計算に必要な減価償却費について説明しました。

ここではアワーレート(設備)の具体的な計算について説明します。
 

アワーレート(設備)の計算

 

アワーレート(設備)の計算に使用する設備の年間費用は、実際の償却費とランニングコストです。アワーレート(設備)の計算は以下の式です。

複数の設備がある場合、複数の設備を平均した現場の平均アワーレート(設備)を計算します。

 

A社 マシニングセンタ1(小型)の現場の場合

 

A社のマシニングセンタ1(小型)の現場の設備を(図1)に示します。

図1 A社マシニングセンタ1(小型)の現場のアワーレート(設備)

計算を簡単にするため4台とも

購入価格 : 2,100万円
ランニングコスト : 18.4万円
年間操業時間 : 2,200時間
稼働率 : 0.8
実際の耐用年数 : 15年

とします。実際の償却費は

現場の平均アワーレート(設備)は

マシニングセンタ1(小型)の現場のアワーレート(設備)は900円/時間でした。

4台の設備は導入後、それぞれ4年目、8年目、11年目、12年目でした。

決算書の減価償却費は

4年目 : 215万円
8年目 : 138万円
11年目 : 0円
12年目 : 0円

従って減価償却費から計算したアワーレート(設備)は

減価償却費から計算したマシニングセンタ1(小型)の現場のアワーレート(設備)は600円/時間でした。
 

24時間稼働した場合

 

人は24時間働けませんが、設備は24時間稼働できます。24時間稼働すれば稼働時間が長くなり、アワーレート(設備)は低くなります。

A社のマシニングセンタ1(小型)を24時間稼働させた結果、

年間操業時間 : 2,200時間 → 6,000時間

年間の電気代 : 18.4万円 → 50.2万円

年間の電気代は50.2万円に増加しました。アワーレート(設備)は

電気代は増えましたが稼働時間が大幅に増えたため、アワーレート(設備)は

昼勤のみ: 900円/時間

24時間 : 400円/時間

昼勤のみの44%になりました。高価な設備はアワーレート(設備)が高くなりますが、24時間動かせばアワーレート(設備)を低く抑えられます。
 

年に半分しか稼働しない場合

 

逆に設備を動かさなければアワーレート(設備)は上昇します。

マシニングセンタ1(小型)の現場で、購入11年目と12年目の設備が半分しか稼働しない場合(図2、図3)

図2 年に半分しか稼働していない設備

図3 2台は年に半分しか稼働しない場合

アワーレート(設備)は以下のようになります。

アワーレート(設備)は1,200円/時間、約1.3倍になりました。

将来更新する設備は使わなくても費用が発生しています。そのため使わない時間が長ければアワーレート(設備)は高くなります。
 

高い設備と安い設備がある場合

 

価格の高い設備と低い設備は、アワーレート(設備)が違うのでしょうか。

A社のマシニングセンタ1(小型)の現場で、高性能な設備(例えば5軸マシニングセンタ)を1台導入した場合を考えます。この設備は、複雑な加工ができる反面、価格が4,200万円と高価でした。

図4に示すマシニングセンタ1(小型)の現場で購入4年目の設備が4,200万円の場合

図4 1台が高価な設備の場合



4,200万円のマシニングセンタは

実際の償却費 : 280万円 (2倍)

マシニングセンタ単体の
アワーレート(設備) : 1,700円/時間

それまでの2倍近くになります。そのため現場の平均アワーレート(設備) は、1,100円/時間 になり、200円/時間上昇しました。その分見積も高くなります。

高価な設備は価格に見合った付加価値を生むことができれば問題ありません。

しかし、従来の設備と同じ付加価値しか生まなければコストアップになってしまいます。
 

価格の高い設備は原価が高くなる?

 

4,200万円のマシニングセンタと2,100万円のマシニングセンタでは、アワーレート(設備)は異なります。

つまり価格の高い設備で製造すれば原価も高くなります。

そのため単価の低い加工は、安い設備を使うように指示する管理者もいます。では安い製品は高い設備を使うべきではないのでしょうか。

アワーレート(設備)の主な違いは、実際の償却費です。実際の償却費はすでに過去に払ったお金です。例え高い設備を使っても新たにお金が出ていくわけではありません。高い設備も使わなければお金は稼ぎません。

つまり設備が高くても、どんな仕事でも入れて設備を動かした方が利益は増えるのです。

そこで設備の価格が違っても同じ能力であれば同じ現場と考えます。そしてその現場の平均アワーレート(設備)を使用します。そうすればどの設備を使用しても原価は同じです。
 

設備を増やしたらどうなるのか?

 

設備を増やせば、その分、減価償却費・実際の償却費は増えます。それに応じて受注を増やさなければお金は増えません。

つまり設備を増やすということは、工場全体の費用を増やすことです。その分受注を増やして設備の稼働率を維持しなければなりません。設備が増えても受注が増えなければ、設備の稼働率が下がり原価が上昇します。

一方、測定器のように直接生産しない設備を増やせば、アワーレート(設備)が上昇します。そして工場のコスト競争力は弱くなります。それでも必要であれば測定機は入れなければなりません。その分現場は高コストになっていくので、より付加価値の高い受注を増やさなければなりません。

間接的に使用する設備を増やすとアワーレート(設備)はどうなる?

現場にはボール盤やグラインダーのように日常の生産には使用せず、部品の修正や治具の作成に使用する設備もあります。(図5)

常時使用されて付加価値を生む設備に対して、これらは生産をサポートする設備です。本コラムはこれを「補助的に使用する設備」と呼びます。

図5 補助的に使われる設備

補助的に使用する設備は、使用頻度が低く更新期間も長いため、その費用はアワーレート(設備)には入れません。ただし、高額でしかも短期間に更新する設備の場合、その設備の実際の償却費を設備の年間費用に加えて、アワーレート(設備)を計算します。

例えば、図6のマシニングセンタ1(小型)の現場で、検査のため500万円のデジタルマイクロスコープを導入しました。デジタルマイクロスコープの実際の耐用年数は10年でした。このデジタルマイクロスコープはマシニングセンタの現場のみで使用します。

そこでデジタルマイクロスコープの実際の償却費50万円/年を、マシニングセンタ1(小型)の現場の間接製造費用とします。

図6 デジタルマイクロスコープを導入した場合

間接設備を含む平均アワーレート(設備)の計算は以下の式です。
(設備の年間費用合計は、実際の償却費+ランニングコストの合計)

アワーレート(設備) : 900円/時間 → 970円/時間

アワーレート(設備)は70円/時間増加しました。
 

どこまで細かく計算するのか? 設備のランニングコスト

 
設備のランニングコストには図7のようなものがあります。

図7 ランニングコストの例

その内訳は

  • エネルギーコスト
    電気、ガス、水道など水道光熱費
  • 消耗品
    オイル、クーラントなど液体
    二酸化炭素、アルゴン、窒素ガスなど気体
    ウェス、刃物、工具など固体
  • 修理・保守費用
    修理代、保守契約などサービス費用

これらの費用はどの設備でどれだけ発生したのか正確にはわかりません。そこで間接製造費用として、他の工場の経費と共に各現場に分配します。

ただし、設備によっては特定の費用がとても高いことがあります。その場合、その費用はその設備の直接製造費用としてアワーレート(設備)の計算に入れます。例えば

  • ヒーターがあるため消費電力がとても大きい設備。あるいは射出成型機など設備の大きさで消費電力が変わりアワーレート(設備)にも影響する場合。
  • 窒素、二酸化炭素やアルゴンガスなどのガスを多く消費する設備。
  • 食品製造設備のように終業後洗浄のため多量の水を使用する設備。
  • 刃物やオイルなどの特定の消耗品の使用量が多い設備。
  • 多額の修理費が発生する設備。
  • 多額の修理費に備えて毎年保険をかけている設備。又は高額な保守契約をメーカーと締結している設備。

これらの費用は、その設備、あるいは現場固有の費用として、アワーレート(設備)の計算に入れます。

人と設備以外の費用、間接製造費用と販管費の計算は、書籍「中小企業・小規模企業のための個別製造原価の手引書【基礎編】」で詳しくご説明しております。

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【原価計算と見積の基礎】4.人のアワーレートの計算方法

 
【原価計算と見積の基礎】2.製造原価の計算方法(1)では工場で発生する必要と製造原価の構成について

【原価計算と見積の基礎】3.製造原価の計算方法(2)では間接製造費用と販管費、見積金額の計算について説明しました。

ここではアワーレート(人)の計算について説明します。
 

アワーレート(人)は稼働率を入れて計算

 
アワーレート(人)とは、1時間あたりの人の費用です。

これは時給とは違うのでしょうか?
 

アワーレート(人)の計算

 
アワーレート(人)は、人の年間費用を1年間の稼働時間(実際にお金を稼いでいる時間)で割って計算します。

1年間の稼働時間は、年間の就業時間に稼働率をかけて計算します。

従ってアワーレート(人)の計算は以下のようになります。

つまりアワーレート(人)は、稼働率の分、時給より高くなります。
 

A社 正社員Aさんのアワーレート(人)

 
A社の正社員Aさんの費用とアワーレート(人)を図1に示します。稼働率は80%とします。

図1 正社員Aさんのアワーレート

Aさんの支給額は月20.23万円〈注1〉賞与含めて15か月分で303.5万円でした。

社会保険料の会社負担分は303.5万円の16%、49万円でした。


〈注1〉本コラムはできるだけ区切りがいい数字になるように金額を決めています。そのため、現実の費用と比べると高すぎる、あるいは低すぎることがあります。

Aさんの年間費用は

年間費用=20.23×15×(1+0.16)
    =352 万円

Aさんのアワーレートは、

A社 パート社員Hさんのアワーレート(人)

 
パート社員Hさんの時給は、960円/時間、年間費用は115.2万円でした。(図2)

アワーレート(人)は、稼働率が0.8のため、Hさんのアワーレート(人)1,200円/時間でした。

図2パート社員のアワーレート(人)



正社員Aさんのアワーレート(人)   : 2,000円/時間

パート社員Hさんのアワーレート(人) : 1,200円/時間

時給960円のHさんのアワーレート(人)は、稼働率0.8で割ったため1,200円です。

なぜアワーレート(人)の計算に稼働率をかけるでしょうか?

この稼働率は何を意味するのでしょうか?
 

稼働率の意味するところ

 

稼動率の意味は、企業や書籍により様々です。本コラムは、稼働率を「就業時間に対し付加価値を生んでいる時間(稼働時間)の割合」とします。


例えば、ある作業者の1日は図3のようになっていました。

図3 ある作業者の1日

この1日は以下のように分けられます。
 

【付加価値を生んでいる時間】

  • 段取時間
  • 生産時間

 
【付加価値を生んでいない時間】

  • 朝礼
  • 移動
  • トイレのため離席
  • 資材を探す
  • 会議
  • 片付け

 

ここで付加価値を生んでいる時間に段取時間が入っているのは、本コラムは段取費用も見積に入れているからです。

多品種少量生産では、ロットの大きさが違うと製品1個当たりの段取費用が大きく変わります。そのため原価に段取費用を入れます。

大量生産で段取の頻度が少なく、段取費用が見積に入っていない場合、段取時間は付加価値を生まない時間です。

作業者が1日忙しく働いていても、このような付加価値を生まない「稼いでいない時間」があります。しかしこの時間も費用(人件費)は発生しています。

そこで就業時間に対し付加価値を生んでいる時間の割合を稼働率とします。

アワーレート(人)は、人の年間費用を就業時間に稼働率をかけたもので割って計算します。受注が少なくなり稼いでいる時間も少なくなれば、稼働率は下がります。

1日フルに生産するだけの受注がなく、空いた時間に5S活動(整理・整頓)や改善活動を行っても、それは「お金を稼いでいない時間」です。その分、アワーレート(人)は高くなっています。

稼動率は、作業者の稼働時間と就業時間を集計すれば計算できます。

実際は1年を通して行うのは大変なので、数名を一定期間調べて全体の稼働率を推定します。稼働率の値は、1日現場に入っている作業者でも80~95%ぐらいです。
 

賃金、社会保険料、派遣、請負などの費用は?

 

労務費には図4に示すように

  • 賃金
  • 賞与
  • 退職金
  • 各種手当
  • 社会保険料(法定福利費)
  • 福利厚生費
  • 雑給

があります。

図4 労務費の内訳

この労務費は、賃金、賞与、退職金、各種手当などが含まれます。

各現場の人の年間費用は、その現場に所属している人の労務費を集計します。

社会保険料は、全社員がまとめて計上され、個々の社員の金額はわからないことがあります。社会保険料の会社負担の合計はA社では約16%でした。そこで人件費の16%で概算しました。(これは業界によって異なりますので注意してください。)

派遣社員や請負の費用は労務費でなく、外注費や製造経費に入っていることもあります。
これらは原価計算では「労務費」なので、各現場の人の費用に入れ、その分、外注費や製造経費からマイナスします。
 

賃金の高い人のつくった製品の原価は高いのか?

 
正社員Aさんとパート社員Hさんのアワーレート(人)は

正社員Aさんのアワーレート(人)   : 2,000円/時間

パート社員Hさんのアワーレート(人) : 1,200時間

パート社員Hさんのアワーレート(人)は正社員Aさんの60%です。その結果、同じ製品を1時間かけて製造した時の費用は

正社員Aさんが製造   : 2,000円

パート社員Hさんが製造 : 1,200円

パート社員Hさんが製造すればAさんの60%になります。

この計算は正しいのですが、現実には全く同じ製品を、つくった人が違うために異なる原価で管理するのは困難です。

そこで正社員Aさん、パート社員Hさんも含めた、その現場全体の平均アワーレート(人)を使います。
 

A社のマシニングセンタ1(小型)の現場の平均アワーレート

 

A社のマシニングセンタ1(小型)の現場は、図5に示すようにA~Dさんまで4人の作業者(正社員)がいました。年間総支給額も352~528万円と幅がありました。

ただし就業時間と稼働率は、計算を簡単にするため同じにしました。

図5 現場の平均アワーレート(人)

マシニングセンタ1(小型)の現場の作業者の年間費用合計は

作業者の年間費用合計=352+352+440+528
          =1,672 万円

マシニングセンタ1(小型)の現場の作業者の「就業時間×稼働率」の合計は

作業者の「就業時間×稼働率」の合計=2,200×0.8×4
                 =7,040 時間

平均アワーレート(人)は以下の式で計算します。

マシニングセンタ1(小型)の現場の場合

平均アワーレート(人)は、2,380円/時間でした。この2,380円/時間であれば、誰がつくっても同じ原価になります。
 

工場全体で平均アワーレート(人)とする場合

 

工場によっては、応援のために現場同士で人が頻繁に移動し、現場の作業者を固定できないことがあります。

その場合、工場全体の平均アワーレート(人)を計算します。現場毎のアワーレート(人)の差が大きくなければ、これでも十分です。大企業でも工場のアワーレート(人)はひとつのところもあります。

A社の現場と労務費を図6に示します。ここで実稼働時間合計は、就業時間×稼働率の合計です。稼働率は全て0.8としています。

図6 直接製造部門全体の人の費用

直接製造部門の直接労務費合計 : 8,957万円

直接製造部門の間接労務費合計 : 115.2万円

直接製造部門の稼働時間合計 : 42,080時間


すべての現場の平均アワーレート(人)は2,160円/時間でした。

この2,160円/時間であれば、マシニングセンタ1(小型)、マシニングセンタ2(大型)、NC旋盤、ワイヤーカット、組立のどの現場も同じアワーレート(人)で原価を計算できます。

ではどういう時にアワーレート(人)を分ける必要があるのでしょうか。
 

必要ならば、事業分野、製品分野で分ける

 
例えば、工程や扱う製品が異なるため、アワーレート(人)を変えたい場合です。
 

例1 明らかに原価が違う

 

  • 組立は付加価値が低いため、賃金の低いパート社員主体で製造
  • 加工は付加価値が高く技術も必要なため、賃金の高い正社員が製造

この場合、組立と加工を同じ平均アワーレート(人)にすると、組立は加工の高い賃金の影響を受けてアワーレート(人)が高くなります。

見積も高くなってしまい、受注がしづらくなります。そこで組立と加工のアワーレート(人)を分けます。組立の現場のアワーレート(人)を図7に示します。

図7 組立の現場のアワーレート(人)


組立のアワーレート(人)           : 1,530円/時間

マシニングセンタ1(小型)のアワーレート(人) : 2,380円/時間

マシニングセンタ1(小型)の現場のアワーレート(人)は、組立の現場の約1.5倍でした。
 

例2 事業が違う

 

  • 現場1は、大量生産品の製造、作業者は1日現場から離れず生産に従事
  • 現場2は、多品種少量品の製造、作業者は生産の準備や打ち合わせなど現場から離れることが多い

この場合、現場1と現場2の作業者の賃金は同等でも、稼働率が大きく違います。そこで現場1と現場2で稼働率を変えてアワーレート(人)を計算します。

一方、現場には設備を操作する人や組立作業者など付加価値を生む作業者以外に、生産の準備をしたり、生産完了後の片づけをしたりする作業者もいます。

この人たちの費用はどうなるのでしょうか。
 

現場の間接作業者や管理者の費用はどうするのか?

 

生産の準備をしたり、生産完了後の片づけをしたりする作業者は、付加価値を直接生んでいません。しかし彼らがいなければスムーズな生産はできず、彼らも現場に不可欠な人たちです。

また現場の管理者も管理に専念していれば付加価値を生んでいません。

こういった人たちの費用は、その現場の間接製造費用としてアワーレート(人)の計算に入れます。
 

補助作業者の費用

 

例えば、図8のマシニングセンタ1(小型)の現場には、生産準備など補助作業を行うパート社員Hさん(間接作業者)がいました。

図8 間接作業者の費用



中小企業の工場には、管理者自ら生産を行うプレイングマネジャーもいます。彼らは管理業務もあるため、1日フルに生産ができません。

この場合は管理者の時間を

直接時間 : 生産している時間 (%)

間接時間 : 管理など生産していない時間 (%)

に分けます。
 

プレイングマネジャーの費用

 
図9の管理者 正社員Dさんは、直接50%、間接50%でした。間接50%は、その現場の間接製造費用とします。

間接製造費用の分、平均アワーレート(人)は上昇します。

その結果、2,900円/時間でした。

図9 管理者がプレイングマネジャーの場合

間接作業者や管理者が増えれば、アワーレート(人)の計算で分子(人件費)は増えますが分母(実稼働時間)は増えません。その分、アワーレート(人)は高くなります。

つまり直接生産しない人が増えれば原価は高くなるのです。
 

稼働率が低い年は翌年アワーレート(人)が高くなる?

 

忙しい月は人の稼働率が高く、暇な月は稼働率が低くなります。

その結果、忙しい月はアワーレート(人)が低くなり、暇な月はアワーレート(人)が高くなります。そうなると原価が変わってしまいます。

これでは製品が儲かっているのは

  • 高く受注できた
  • 短い時間で生産できた
  • たまたまその月は稼働率が高かった

どれなのかわからなくなってしまいます。

アワーレート(人)は、原価を計算する「ものさし」です。

そこで稼働率は年間で一定とし、アワーレート(人)は一年間変わらないようにします。(この点が、毎月の稼働率から実際原価を計算する財務会計の原価計算と違う点です。)

一方、年によって繁忙状況が変わることもあります。

本コラムは、先期の決算書からアワーレートを計算します。そのため先期の稼働率が低ければ、翌期のアワーレート(人)は高くなります。

本当は、先期は受注が少なかったので、今期は受注を増やしたいところです。

しかし今期のアワーレート(人)が高ければ、見積も高くなってしまい、一層受注しにくくなります。

この場合は、工場が元々目標としている稼働率でアワーレート(人)を計算します。そしてその稼働率を達成できるように営業活動に力を入れます。

では、アワーレート(設備)はどうやって計算するのでしょうか。

アワーレート(設備)の計算方法は【原価計算と見積の基礎】5.設備のアワーレートの計算方法(1)で説明します。

経営コラム【製造業の原価計算と見積】の記事は下記リンクを参照願います。

 
経営コラム【製造業の値上げ交渉】の記事は下記リンクを参照願います。

 
 

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