平成26年度補正 ものづくり補助金 意外と知られていない採択後の手続きと収益納付

平成26年度補正予算による「ものづくり・商業・サービス革新補助金(通称 ものづくり補助金)」の公募が2月13日の17時過ぎに開始されました。

この補助金は、中小の製造業やサービス業の中で、革新的な技術やサービスに取り組む企業に、最大で1,000万円までの補助金(補助率2/3)を給付するものです。

 

大きな特徴は、従来の補助金の多くは企業の研究開発に対して支給され、製造設備への転用には制限がありました。

しかしものづくり補助金は製造設備も対象となり、企業の設備投資に補助金が活用できます。

すでに各地で説明会が開かれ、申請の準備にかかっている方も少なくないと思います。

 

ただ、このものづくり補助金 採択されてもその後がかなり大変なことは、意外と知られていません。

余りの大変さに採択されても、断念してしまう企業もいるほどです。

この採択後の手続きと大変さについては、情報があまりないので、ここでお知らせします。

ただし、私自身は補助金を受けていませんので、あくまで関係者から得た情報です。

 

ものづくり補助金の申請から採択、事業完了までの流れ

ものづくり補助金の手続きの流れは、以下の図のようになっています。

 

monohojyo_procedure

1) 公募

2) 事業計画書申請

公募要領に従って、事業計画書を作成し、申請します。

事業内容と対応する補助金、認められる経費、申請書の内容など多岐に渡ります。事業が該当していなかったり、認められない経費が入っていたり、補助事業の対象とならない事業計画書が毎年かなりあるそうなので注意してください。

近くの支援機関や金融機関などの認定支援機関に確認してもらうと良いです。

採択率は、例年30%代後半~40%代前半です。

 

つまり採択されるためには、他社の申請書よりもできる限り良い内容にする必要があります。

そのためには公募要領の全ての審査項目の内容が確実に書かれており、高い点が得られるようにすることです。

このことは、「補助金の事業計画書は、採点基準が公開されているテストのようなものである」と言われます。

その意味では、条件は他社と同じですので、良い申請書を心がけます。

3) 審査・採択

締切から採択の発表まで例年ですと1か月半程度かかるので、今年は6月下旬ごろと推測します。

4) 採択

5) 交付申請

採択されても、すぐに事業を開始できません。

図にあるように、交付申請という手続が必要になります。

 

実際は、改めて計画書を提出し、その費用が審査されます。

つまり最初の事業計画書の審査は、事業内容のみの審査なのです。

費用は、この交付申請書で審査されます。

 

前回の時も、この交付申請の段階で費用が認められなかったこともありました。

また交付申請書がなかなか通らず、事務局に何度も足を運ぶこともありました。

そして早ければ、採択から2か月くらいで交付が決定し、事業を始められます。

一方交付申請に時間がかかると、中々事業が始められない場合もあったようです。

それでも事業期間は、交付決定日から平成28年6月30日までと、公募要領に記載されているので注意が必要です。

 

最初に事業計画書を作成する段階で、前年度の交付申請の手続きを調べて、交付申請の書式に合わせて事業計画書を作成すると交付申請がスムーズになります。

また50万円以上の設備は相見積もりが必要です。

平成25年度の交付申請の書類は、こちらのサイトから入手できます。

【H25補正】2次公募分 補助事業の手引きは、採択決定者専用であり、解凍にパスワードが必要です。

しかし、交付申請セルフチェックシートや様式はダウンロードできます。

また経費の考え方や人件費の算出なども細かく載っています。

6) 交付決定

交付決定を受けてやっと事業開始です。

ただしお金は事業完了までもらえないので、自己資金を用意するか、つなぎ融資を受ける必要があります。

7) 中間監査

事業開始後、途中で事務局の中間監査があります。

経費の支払いは、交付決定日以降(計画変更を行った対象物件がある場合には、計画変更承認日以降)に発注し、補助事業期間内(平成28年6月30日)に支払いが完了しているものに限ります。

検収は上がっていても振り込みが翌月だったり、給料のように翌月払いのものは対象になりませんので注意してください。

8) 実績報告

事業終了後、実績報告書を提出します。

事業計画書と同じくらいのボリュームがあります。

昨年度の実績報告書の記入例をこちらに示します。

また、「試作開発+設備導入」の事業で、補助金で購入した機械装置等を生産目的に転用する場合は、精算払完了後に生産転用の承認申請書の提出が必要です。

9) 確定検査(交付額の決定)

実績報告書を提出後、確定検査を受けます。

事業の成果を事務局に説明するとともに、場合によっては事務局が原材料や機械装置を確認に来ます。

試作の為の原材料は、生産目的の原材料とは区別して保管します。

10) 補助金の請求、補助金の支払い

確定検査に合格し、実績報告に問題なければ、補助金の金額が確定するので、事務局に請求できます。

なお補助金は税務上益金扱いとなるので注意が必要です。

11) 事業化状況報告・収益納付

事業完了後も5年間は、毎年事業の状況を報告しなければなりません。

補助金で導入した機械装置で一定以上の収益が出た場合、その収益は国に納めなければなりません。(収益納付)

「えっ、何!」

あまり知られていないので驚くかもしれません。

 

ただし公募要領に書いてあります。

以下、平成26年度補正「ものづくり・商業・サービス革新補助金(通称 ものづくり補助金)」の公募要領から

公募要領22ページ

(5)事業化状況の報告から、本事業の成果の事業化又は知的財産権の譲渡又は実施権設定及びその他当該事業の実施結果の他への供与により収益が得られたと認められる場合には、補助金額を上限として収益納付しなければなりません(納付金額は、補助金額が限度です。)。

これは、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年八月二十七日法律第百七十九号)」の以下の条文に基づいています。

(補助金等の交付の条件)

第七条  各省各庁の長は、補助金等の交付の決定をする場合において、法令及び予算で定める補助金等の交付の目的を達成するため必要があるときは、次に掲げる事項につき条件を附するものとする。

2  各省各庁の長は、補助事業等の完了により当該補助事業者等に相当の収益が生ずると認められる場合においては、当該補助金等の交付の目的に反しない場合に限り、その交付した補助金等の全部又は一部に相当する金額を国に納付すべき旨の条件を附することができる。

この収益納付については、こちらの資料が参考になります。

公募要領にある収益納付の表現がわかりにくく、各地の補助金の説明会でもあまり説明されないため、あまり知られていません。

採択され、事業が終わるころに事務局から説明されて、大変驚かれるようです。

 

この収益納付は「これでは補助金でなく、無利子の融資ではないか!」と憤る方もいます。

しかし多額の収益納付をした話は聞いていないので、今までの採択企業は、補助事業では大きな収益は上がっていなかったようです。(?)

一方、採択されるためには、補助金の費用対効果が大きい必要があるため「できるだけ利益の出る事業計画書」を作ります。

その結果多くの人が戸惑います。

 

これは「ものづくり補助金」が設備投資に使えるため、混乱が起きていると考えられます。

多くの補助金は、研究開発に対し給付されます。

研究開発ですから、つくった試作品は売れません。

また研究開発に使用した設備を生産に使用する場合は、生産転用の手続きが必要です。

しかし「ものづくり補助金」は、技術開発だけでなく景気対策の側面もあり、設備投資つまり生産設備にも活用できます。

本来企業の直接の収益活動の使用には制約のある補助金というお金を、収益活動に直接使うため起きたようです。

そのあたりの事情をよく理解した上で実績報告をするとよいと思います。

 

以上のように、ものづくり補助金は採択後もかなりの事務手続きが必要になります。

申請書の作成をすべて外部の専門に依頼すると、その後の交付申請や実績報告は苦労します。

自社で事業計画書を作成すれば、事業計画は自社の成長を促し、その後の手続きも楽にできます。

自社で申請書を作成する場合、採択に必要なポイントと書き方を分かりやすくまとめたマニュアルを作成しました。

こちらのサイトで公開しています。

 
他にも以下のサイトにも申請書作成のポイントがあります。
 
「これを書かないと通らない!」平成28年度補正 ものづくり補助金申請書のポイント
 
平成28年度補正ものづくり補助金 前回からの変更のポイント
 
平成27年度補正ものづくり補助金 必要な事前準備と過去の不採択のパターン
 
ものづくり補助金 二次公募 意外と知られていない採択のポイント 
 
パンフレットや補助金申請書に欠かせない「自社の強み」見つけるポイントは、「違い」 
 
ものづくり補助金 採択の為の最大のポイント「技術の革新性」の書き方 
 

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