令和元年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称ものづくり補助金)申請書の書き方

令和元年度 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称 ものづくり補助金)申請書の書き方

本資料では、令和元年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称ものづくり補助金)申請書を例に、補助金申請書の書き方を紹介します。
 

ものづくり補助金は、中小・小規模企業を対象とした補助金にも関わらず、公募要領に具体的な書き方が書かれていません。その反面、審査は革新的なものづくりやサービスなど高度な内容を要求するため多くの中小企業の経営者が戸惑っています。
 

一方補助金の申請書は、自社の新規事業の事業計画書であり、その作成は企業の経営者や社員が自ら行うべきと考えます。本マニュアルは中小企業が「自ら書いて採択されるために」必要な内容をできるかぎり詳しく記載しました。
(本マニュアルは誰でも利用できますが、本マニュアルを用いた結果の責任については弊社は負いかねます。ご利用は自己責任でお願いします。)
 

なお弊社ではこの趣旨に基づき申請書作成の代行は行っておりません
 

1、令和元年度補正ものづくり補助金の改定内容

令和元年度補正ものづくり補助金では大きな改訂があり、ポイントは以下の3点です。

  1. 補助率が中小企業1/2、小規模企業2/3
  2. 賃上げ基準の強化
  3. 審査項目(政策面)の変更

 

  1. 補助率が中小企業1/2、小規模企業2/3
  2. 従来は一定の要件を満たせば小規模企業でなくても補助率は2/3でしたが今回なくなりました。

  3. 賃上げ基準の強化
  4. 今回の改訂の最大のポイントです。
     

    前回まで加点事項であった「賃金総支給額を対前年比1%増加」が、今回は以下の2点が採択の必須条件となりました。
     

    a, 事業期間内3~5年間で総支給額を1.5%/年引き上げる
    b, 事業期間内1年目から地域別最低賃金プラス30円以上とする。
     

    しかも未達の場合補助金を返還しなければなりません。例えば事業期間終了時点にて a.が未達の場合、導入した設備の簿価(又は時価の低い方)のうち、補助金相当金額を返還しなければなりません。

    ただし、付加価値額の目標が達成できなかった場合、賃金総支給額の増加率が付加価値額の伸び率の1/2を超えていれば、返還不要です。あるいは天災等の不可抗力による場合も返還は不要です。
     

    あるいは事業期間中、毎年3月の時点で b.が未達の場合は、補助金額を事業計画年数で割った金額の返還を求められます。

    ただし付加価値額の伸び率が1.5%/年に達しない場合、あるいは天災等の不可抗力による場合返還は不要です。

    また退職者等により総支給額の伸びが不十分だった場合、総支給額に代えて一人当たりの賃金の増加率を用いることができます。
     

    この結果、1,000万円の補助金の交付を受けても人件費の大幅な増加により効果が相殺されることもあります。例えば事業期間を3年とした場合、年率1.5%では3年間で4.57%の増加となります。社員の平均賃金400万円/年、社員20人の場合、年間の総支給額は8,000万円です。この場合3年後の増加額は366万円となります。人手不足等ですでに賃上げを行った企業では、さらにこれだけの賃金の引き上げは容易ではありません。
     

    では、もし事業期間終了後、返還を求められた場合、どうなるでしょうか。例えば上記の会社が法定耐用年数10年、価格2,000万円の設備を補助金で導入した場合、規定通りの賃上げを行えば、 1年目が120万円、2年目が242万円、3年目が366万円、3年間で合計728万円人件費が増加します。補助金1,000万円を受けても現金の純増は272万円になってしまいます。(賃金引き上げは人材の確保などメリットはありますが、ここでは単純に金額の比較のみ行います。)

    あるいは賃上げを行わず、3年後に返還した場合はどうなるでしょうか。2,000万円の設備の3年後の簿価は1,216万円、補助金相当額は1/2の608万円です。もし3年後に608万円を返還すれば現金の純増は392万円になります。

    一方もうひとつの要件、最低賃金の引き上げは1年目から実施しなければなりません。例えば新入社員や外国人研修生を計10人最低賃金で雇用した場合、一人の平均就業時間が2,000時間/年とすると30円の時給アップで年間6万円/人、10人では60万円/年の増加となります。しかも翌年地域別最低賃金が引き上げられれば、それに呼応して引き上げなければなりません。
     

    このように今回の賃上げの強化は、従業員数の多い企業、最低賃金の社員の多い企業は経費が大幅に増加し補助金の効果を相殺します。

    今回から加点事項として、総支給額2%/年増加かつ最低賃金プラス60円、または総支給額3%/年増加かつ最低賃金プラス90円の表明が追加されました。この2つは数字が異なるだけで、後者の方がより加点が多くなります。(事務局に確認済み)ただし公募要件の賃上げだけでも経費の大幅な増加となるため、さらに加点事項の水準まで賃上げするのは容易ではありません。

  5. 審査項目の変更
  6. 政策面の審査項目が変更されたため、申請書の記載内容が若干変わります。これについては、以降の書き方マニュアルで詳しく述べます。

 

その他の変更内容

それ以外にも注意すべき変更点を以下に記載します。

  • コロナウィルスの影響を受けた事業者には優先されます。これについては「ものづくり補助金ポータルサイト」より書式をダウンロードして記入します。さらに感染症による影響がわかるように対応状況を記載し、客観的事実を証明するための書類 (例:原材料の調達先事業所が操業を停止していることを証する通知文書、顧客からの中長期の取引計画を含む部品供給要請文書、国内外の事業所が操業を停止していることを証する書類等)の提出が必要です。
  • 認定支援機関の確認書が不要となりました。
  • 過去3年間に採択を受けた企業は減点されます。
  • 中古設備は、型式や年式が記載された相見積を3社以上の業者から取れば対象となりました。

 

2、採択される申請書のポイント

補助金申請書が採択されるためのポイントは、以下の5点です。

  1. 申請書に必要な事柄を漏れなく記入する
  2. 審査項目の内容は、全て項目の小見出しをつけて記載する。
  3. 事業課題、達成目標などはできる限り数値で定量的に明記する。
  4. 事業課題(経営課題)から、補助金による事業(以下、補助事業)によって課題が解決し、その成果までのストーリーが一貫している。(ブレがない。)
  5. 審査者が「革新的なものづくり、あるいは革新的なサービス」と思う内容にする。

 

1)補助金は選考

補助金の審査は選考、つまり複数の申請の中から選ばれます。審査には各審査項目に対し内容を審査し採点する審査と、国が支援するのにふさわしい取り組みかどうかを見る定性的な審査の二つがあります。採択されるためには次の2点をクリアする必要があります。

  1. 公募要領にある審査項目は適切な内容をもれなく書いて、合格点を得る。
  2. 他の申請者よりレベルの高い「革新的なものづくり、あるいは革新的なサービス」の優れた事業計画を作成する。

 

本マニュアルに従って必要な事項をもれなく書けば、必要な点数は得られるので、採択されるためには2)の他の申請者より優れた事業計画と評価される必要があります。

この優れた事業計画とは、技術レベルの底上げになる新たな産業や市場の開拓になるより付加価値の高い新たなサービスの創出投入する税金に対して費用対効果が高い計画です。これはものづくりやサービスの「革新性」で評価されます。ただし重要なことは、絶対的な技術レベルの高低では審査されないことです。多くの企業は自社の専門分野に詳しいために「こんなことはどこでもできる」「何も新しいところはない」と考えてしまいがちです。しかしものづくりの技術は非常に幅広く、審査員が申請書の専門的な技術のレベルを正確に評価できません。つまり審査員が「革新的なものづくり技術(あるいはサービス)と思うこと」がとても重要です。
 

これは書き方を工夫すれば多くの企業にチャンスがあります。そのためには今まで自社が取り組んできた技術の難しさや創意工夫が審査員にしっかり伝わるような申請書にしなければなりません。
 

2)頑張っているというストーリー

審査員は一生懸命頑張っている企業を応援したいと思っています。それは図1のような起承転結があると伝わりやすいです。
 

【起】
自社にはこのような強みがあり、それを活かしてがんばっていたが、外部環境の変化や顧客のニーズの変化により○○の課題が生じた。
 

【承】
○○の課題、つまり自社の経営課題を解決するために、設備投資・新サービスの開発を行う。
 

【転】
しかし設備投資・新サービスだけでなく、事業課題の解決には△△という技術的な課題がある。
この技術的課題を解決するために●●を行い解決する。(あるいは●●の創意工夫を行い新サービスを開発する。)
 

【結】
その結果、新たな技術が蓄積し自社の強みが強化される。
これにより売上・利益が増加し、雇用の増加、取引先への発注増加、新たな投資など地域経済の活性化に貢献する。
 

図1 申請書全体のストーリー

図1 申請書全体のストーリー

 

3)自力で書いても採択は可能

このような計画書は、自社の事業の課題を一番よく知っている企業自身が書いた方が良いものが書けます。これまで申請したことがない企業でも本マニュアルを使って自力で申請して採択された例はいくつかあります。本マニュアルが企業が自ら事業計画を作る際の参考になれば幸いです。
 

3、申請書に必要な事項

1)基本ストーリーを考える

図2のように、自社の直面している経営課題(この資料では、事業課題)を考え、それを解決するために補助金を活用してどのような事業を行うのか、それによりどのような成果が自社にもたらされるのか考えます。
 

全体のストーリー

図2 全体のストーリー


 

2)【ストーリーの骨格がぶれないように】

事業課題と解決方法、その成果は、申請書の骨格を成すため、ストーリーは一貫していてぶれないようにします。申請書の中には「当初の目的とした事業課題と解決方法が合っていない」「事業課題と成果がずれている」ものがあります。そうなると審査員もその事業は本当に効果があるのかと疑問に思います。
以下にこのストーリーに沿った申請書の内容を示します。紙数を減らすために空欄は小さくしてあります。最初は文章の体裁や文章の量は考えず自由に考えてください。次のa~cはウォーミングアップです。
 

事業課題

受注減少、コストダウンによる利益率低下など本当に困っていることを書きます。

 

解決方法

導入する設備、開発テーマなど具体的な内容を書きます。設備の費用も明確にします。

 

成果

自社がどうなると良いのか、5年後までの姿を思い浮かべます。

 

3)事業が対象かどうかを確認

やろうとしている事業が補助対象かどうか公募要領で確認します。対象事業、補助金額、補助率は毎年変わりますので、必ず応募する補助金の公募要領を読んで確認します。また「令和元年度補正ものづくり補助金」は試作開発も対象です。しかし専門家経費、外注費、技術導入費などは対象経費総額の何分の1までという制限があります。また原材料費の制限はありませんが、機械装置費以外の費用はあわせて500万円までの制約があります。
 

4)「ものづくり高度化法12分野」又は「中小サービス事業者 生産性向上のためのガイドライン」の関係

「ものづくり高度化法」の定める12分野の技術のどれかを確認します。
 

「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」の本文を見て、「該当する技術」と「高度化目標」は、本文にあるものを選択します。

ずばり自社が当てはまる技術がない場合は近いものを探します。今まで多くの申請書を見ましたが、12分野のどれにも該当しないという事例はありませんでした。従って該当する技術分野は必ずみつかります。ただし該当するかどうか不安に思っても、安全のために3つも4つも分野を挙げるのは避けます。審査員の審査が煩雑になり印象が悪くなります。多くても2つまでとします。
 

  1. デザイン開発に係る技術
  2. 情報処理に係る技術
  3. 精密加工に係る技術
  4. 製造環境に係る技術
  5. 接合・実装に係る技術
  6. 立体造形に係る技術
  7. 表面処理に係る技術
  8. 機械制御に係る技術
  9. 複合・新機能材料に係る技術
  10. 材料製造プロセスに係る技術
  11. バイオに係る技術
  12. 測定計測に係る技術

 

この「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」は、申請書で「技術の背景」「将来の展望」や「市場ニーズ」を書く際に参考になりますので、該当する技術の指針のpdfは印刷して熟読することをお勧めします。

12分野の(                             )に該当

 

サービス業の場合、取り組む事業が「中小サービス事業者 生産性向上のためのガイドライン」P.2 (1)~(10)のどれに当てはまるか確認します。

分類 項目 該当するものに〇
付加価値の向上 (1) 新規顧客層への展開  
(2) 商圏の拡大  
(3) 独自性・独創性の発揮  
(4) ブランド力の強化  
(5) 顧客満足度の向上  
(6) 価値や品質の見える化  
(7) 機能分化・連携  
(8) IT利活用(付加価値の向上につながる利活用)  
効率の向上 (9) サービス提供プロセスの改善  
(10) IT利活用(効率化に繋げるための利活用)  

 

4、申請書の項目作成1(自社の現状と経営課題)

ここから申請書に書く内容を個別に作成します。最初は□の大きさにとらわれず自由に書いてください。申請書に記入する際は、各項目を2~3行のまとめます。(ページ数が10ページ前後の制約があるため)本マニュアルの最後に申請書のテンプレートがあり、テンプレートの番号に以下の番号の内容を転記すれば申請書は完成します。
 

(1) 自社の事業

既存の自社の事業を書きます。

例 当社の事業は、********************である。

 

(2) 自社の商品・サービス(製品・部品)

例 主要な製品は、○○、□□、△△である。

 

(3) 自社の強み

競合に対する自社の有利な点・強みを分かる範囲で書きます。

当社の強みは、********************である。

 

〈強み〉 競合に対する自社の有利な点・強みを分かる範囲で書きます。
申請書を書く際に重要なポイントです。見つからなかったら以下の切り口で考えて下さい。

 

ヒント

  • 他社がやってなく、自社がやっていることは?
  • 顧客から良いと言われたことは?
  • こだわって行っていることは?
  • 機械の性能以上に使いこなしていることは?
  • ベテランでなければできないことは?
  • 過去に顧客から要求されて、苦労しながら実現したことは?
  • 品質、精度、納期、コストなどで独自に工夫したことは?
  • 特殊な工具、治具、組み立て方法、加工方法はないか?
  • 素人でもできるように工夫したことはないか?
  • 自社の前工程や後工程を取り込んで一貫生産していることはないか?

 

強みや競合については、SWOT分析などのフレームワークを使う方法もあります。
 

図2 SWOT分析

図3 SWOT分析


 

(4) 顧客

自社の顧客を書きます。
申請書の本文は非公開で秘密は守られます。
取引先は具体的な社名を書いた方がリアリティが高まります。

例 主な顧客は、********************である。

 

(5) 顧客の要求・ニーズ

自社の顧客が要求していること、今後求めると思われることを書きます。
新技術・新サービスの場合「なぜ、そのサービスが必要なのか?」「顧客がそれを求めているか」審査されます。具体的な顧客のニーズを書き、できれば顧客を絞り込みます。ここがあいまいだと新製品や新サービスは「ニーズがない」「売れない」と思われてしまいます。

例 顧客のニーズは、*****

 

(6) 事業課題(経営課題)

P.5 a.の事業課題、つまり今回の補助事業で設備を導入しなければならない理由を再度書きます。(1)から(5)の流れにつなぐような表現にします。

例 従来は○○の強みから順調に業績を伸ばしてきたが、****のため*****という課題がある。

 

(7) 解決方法

P.5 b.の解決方法をここで再度書きます。上記の流れにつなぐような表現にします。革新的サービスの場合は【新たなサービス・役務の提供】が解決方法になります。

例 この課題を解決するために、○○の設備を導入する。

 

(8) 今までの取組と異なる点

従来の事業とどこが違うのか書きます。革新的サービスの場合、どこが革新的サービスなのか書きます。(5)の「顧客のニーズ、困りごと」に対し今までにないサービスを提供して解決すれば、それは革新的なサービスになります。この「今までにない」という意味はすべてが全く新しい必要はなく「中小サービス事業者 生産性向上のためのガイドライン」の10項目のうちのどれか一つが新しければ大丈夫です。

例 これは従来の設備と比較して○○の点が異なる。

 

(9) 競合他社の違う点

競合他社の事業とどこが違うのか書きます。すでに他社が実施している技術・サービスは革新的とみなされません。少なくともインターネットで簡単に検索して同じ技術・サービスがないことです。もし同じものがあった場合、どこが違うのかを具体的に書きます。(似たような技術やサービスでも全く同じことはなく、どこか違いがあるはずです。)

例 この取り組みは競合他社の○○と比較して△△の点が異なる。

 

(10) 顧客のメリット

この事業により顧客にはどのようなメリットがあるのか書きます。

例 これは従来の設備と比較して○○の点が異なる。

 

5、申請書の項目作成2(技術的な課題)

審査項目(2)技術面 ①新製品・新サービスの革新的な開発となっているか。
審査項目(2)技術面 ②試作品・サービスモデル等の開発における課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか。

【ものづくり技術の場合】(革新的サービスはP.11から)

(11) 技術的課題
試作開発であれば、開発テーマの技術的に困難な点を書きます。
 

ものづくり技術では「革新的なものづくり」かどうかは、技術的な課題と解決方法から判断されます。申請者の本音は単なる設備投資かもしれません。しかし採択されるためには、その中で設備を導入した上で他社ができない独自の創意工夫が必要です。ただし大企業が取り組むような最先端の技術の必要はありません最新の設備を導入しただけでは実現できないこと、例えば「機械の使いこなしや設定の工夫、独自の治具、材料と刃物の独自の組合せ」などで十分です。
その際審査員が理解できない専門用語や業界用語を使わないようにします。課題がひとつでは弱いと思ったら複数の課題を書きます。多い時は表にしても良いです。審査項目「技術面の革新性」はここで評価されます。
 

 

(12) 解決方法

具体的な解決方法を書きます。文章だけで伝わらない場合は、図や写真を活用します。

 

(13) 具体的な目標(定量的・定性的)

技術的課題の解決の目標値です。
できる限り定量的な数値目標を入れます。
数値化できない場合、定性的な判断基準を入れます。(目標値は採択後、完了確認の際に審査されます。従って達成可能な目標にします。)

 

審査項目(2)技術面 ③課題の解決方法が明確かつ妥当であり優位性が見込まれるか。
 

(14) 優位性
技術的課題を達成することで自社のどのような強みを強化し、他社に対する優位性が高まるのか書きます。審査項目の優位性はここで説明します。

例文 ○○を達成することで、□□の点で競合に対して優位となる。

 

表の例

技術的課題 解決方法 達成度 優位性
1
2

 

審査項目(2)技術面 ①新製品・新サービスの革新的な開発となっているか。
審査項目(2)技術面 ②試作品・サービスモデル等の開発における課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか。

【革新的サービスの場合】

(11-1) 新たに開発するサービス
本事業で取り組む新サービスと、それは〈誰に〉〈何を〉〈どのように〉提供するのか書きます。

新サービスは、○○である。

《誰に》
****
《何を》
***
《どのように》
***

 

【新たなサービスの創出・サービス提供プロセスの改善をするための課題、解決方法、具体的な目標、優位性】
新サービスを実現する際に発生する課題(今はできていないこと)、その解決方法、解決の具体的な目標(できれば定量的)、その結果、他社との優位性を書きます。
 

(11-2) 課題
新サービスを実現する上で何か障害となる事、あるいは解決しなければならないことはあると思います。これが課題です。この課題と解決方法で革新的なサービスかどうか判断されます

 

(12) 解決方法
課題を解決するための創意工夫を書きます。大げさなことでなくても良いので、今までとは違った取り組みや独自の創意工夫を書きます。

 

(13) 具体的な目標(定量的・定性的)
具体的な目標値を書きます。サービスの提供時間であったり、品質、量に関する数値など定量的な目標値を書きます。定量的な数値がなければ定性的な目標を書きます。(目標値は採択後、完了確認の際に審査されます。従って達成可能な目標にします。)

 

審査項目(2)技術面 ③課題の解決方法が明確かつ妥当であり優位性が見込まれるか。
 

(14) 優位性
この課題を解決し、新サービスを実現することで競合他社に対してどのように優位となるか書きます。審査項目の優位性はここで説明します。

例文 ○○を達成することで、□□の点で競合に対して優位となる。

 

【12分野の技術との関係性】 又は【新製品・新技術・新サービスの革新性】
審査項目(2)技術面 ①「中小サービス事業者の事業者の生産性向上のためのガイドライン」や「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」に沿った取組であるか。

12分野の技術と技術的課題との関連性を書きます。

革新的サービスの場合は
【中小サービス事業者の事業者の生産性向上のためのガイドラインとの関連性】
自社のサービス・役務と本事業の「中小サービス事業者の事業者の生産性向上のためのガイドライン」の関連性を明記します。

(15-1) 12分野の技術との関係性【ものづくり技術】

(11)の技術課題と、それが「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針12分野」のどれに該当するかを要約して書きます。(「**」に12分野の該当部分を抜粋します。)

例 本事業は、○○の技術的課題を解決することで、□□及び△△を実現する。この○○は中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針12分野のうち、「**」に該当する

参考 中小企業団体中央会の記入例の文章
自社の接合技術は本事業の主たる技術的課題を解決するうえで必要不可欠な技術であり、12分野の接合・実装の技術とも次の点で合致する。・・・略・・・
 

(15-2) 中小サービス事業者の事業者の生産性向上のためのガイドラインとの関係性 【革新的サービス】

本事業の新サービスがどのようなもので、それは中小サービス事業者の事業者の生産性向上のためのガイドラインの10項目のどれに該当するか書きます。

例 本事業の取組は、○○を○○する新たなサービスを提供するものである。これは「中小サービス事業者の事業者の生産性向上のためのガイドライン」の○○に該当する。

 

6、申請書の項目作成3(補助事業の成果)

審査項目(3)事業化面 ②事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。クラウドファンディング等を活用し、市場ニーズの有無を検証できているか。
 

(16) 本事業の成果が寄与するユーザー

本事業がターゲットとしている具体的なユーザーを書きます。納入先やエンドユーザーに航空機、医療・介護、次世代自動車、スマートグリッド、ロボットなどの企業があれば、そのメーカー名や事業分野を書くと有利です。

既存顧客 例文

当社が取引している既存顧客を下記の表に示す。本事業の成果を生かして既存顧客に対し、下表の製品を新たに納入する。

企業名 部署 現在納入している製品 新たに納入する製品
1
2

 
(補足説明があれば記載する)
 

新規顧客開拓 例文

本事業の成果を生かして下表の顧客に対し、新たに販路開拓を行う。

企業名 部署 新たに納入する製品
1
2

 
(補足説明があれば記載する)
 

  • 売上増加・販路開拓のプロセスの説明

上記の顧客に対しどのようにアプローチするのか、売上増加の具体的な取組を書きます。可能であれば相手の部署名、キーマンの名前など固有名詞を入れた方が信ぴょう性が増します。部品メーカーの場合、取引先の今後の開発計画や生産の立ち上がり予定が分かればそれも書きます。ここに具体性がないと、計画は希望的数値であって「絵に描いた餅」ではないかと思われてしまいます。

計画1年目
既存顧客〇社〇部に対し、○○をPRして…
新規顧客〇社〇部に対し、〇社の紹介により…
計画2年目

計画3年目

計画4年目

計画5年目

 

(17) 本事業の成果の寄与する市場・市場規模
本事業の対象市場と市場規模を書きます。
市場規模が分からない場合は、フェルミ推定を使って求めることができます。フェルミ推定とは、実際に調査するのが難しい量を、いくつかの手掛かりを元に推論し、短時間で概算することです。
 

例 自動車のシート部品(リクライナ、アジャスタ)を製造しているA社の市場シェア
日本自動車工業会の調査によれば、
シート部品(リクライナ、アジャスタ)の市場は1,694億円、このうち
リクライナが30%と推定すると、508.2億円、
リクライナのうち自社の製造するリクライナ部品が20%と推定すると
該当するリクライナ部品の市場は102億円になります。
 

(自動車部品の場合、日本自動車工業会の資料がインターネットから入手できます。)新製品や新サービスの場合、予想で良いので対象市場を明確にします。また対象市場が広すぎる場合は市場を絞り込みます。(大きすぎる市場に中小企業が参入しても成功する確率は極めて低いからです。)
 


本事業の対象市場は、○○である。
市場規模は、金型工業会の資料によれば、国内の金型生産金額は○△億円で、当社の製造するプレス金型はこのうちの**%と推定すれば市場規模は**億円である。

 

(18) 市場のニーズ

本事業分野における市場のニーズを書きます。市場のニーズはできる限り数値化します。全く新しい製品やサービスは、市場ニーズが本当にあるのか審査員は半信半疑です。市場ニーズが確実にあることをデータや顧客ヒアリング結果などを使って説明します。
この市場ニーズは、(5)の既存顧客のニーズと同じこともあります。

本事業の成果の事業化が寄与する市場のニーズは、*****である。

 

(19) 本事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有すこと

本事業の成果により、自社の製品がどのように他社に対して優位となるか、競合との比較を書きます。
価格的には、製造コストや販売価格が競合に対し、どのように優位か書きます。収益性は、その結果、自社の利益がどのように良くなるのか、定性的な表現でもよいので書きます。
性能的には、自社の技術や製品・サービスの機能や性能、品質などが、どのように競合に対して優位か書きます。可能であれば数値で表します。外観品質など数値化が難しいものは、不良率何パーセント低下など他の指標で代替します。

 
例1 表で比較する場合

競合との比較

比較項目 当社 ○○(株) △△(株)
価格
価格
性能
性能

 

例2 箇条書きで記載する場合
価格的優位性
**の点に関して…
**の点に関して…

性能的優位性
**の点に関して…
**の点に関して…

 

(20) 利益計画
直近期末の決算書から、売上高、営業利益、経常利益、人件費、減価償却費を記入します。(23)の売上高の増加計画に合わせて利益計画を作成します。補助金で設備投資をする場合、減価償却費の増加も盛り込みます。付加価値額の平均伸び率を3%/年以上にするためには、経常利益の増加だけで不十分な場合、雇用の増加や賃上げも必要です。
 

会社全体の事業計画  
(単位:円)

1-1 基準年度
[ 年 月期]
1年後
(補助金事業実施年度末)
[ 年 月期]
2年後
[ 年 月期]
3年後
[ 年 月期]
4年後
[ 年 月期]
5年後
[ 年 月期]
① 売上高
② 営業利益
③ 営業外費用
経常利益(②-③)
④ 人件費
⑤ 減価償却費
付加価値額(②+④+⑤)
伸び率(%)
⑥設備投資額
⑦給与支給総額
伸び率(%)

           
 

  • 会社全体の事業計画(表)における「付加価値額」や「給与支給総額」等について、数字の算出根拠(実現の道筋)を明記します。
  • 本事業計画(表)で示した数値は、補助事業終了後に、事業化状況等報告において伸び率の達成状況の確認を行います。

 
※ 基準年度には、決算日が申請の締切日以後6ヶ月以内の場合は、申請締切日の属する決算期1年間の「見込み」の数字、決算日が申請の締切日以前6ヶ月以内の場合は、申請締切日前の決算期1年間の「実績」の数字を入力します。
※ 見込みの数字を入れた場合は、フォローアップ時に、実績の数字に置き換えて、付加価値額や給与支給総額等の伸び率の達成状況を確認します。
(上記表、及び注記は、ものづくり補助金ポータルサイトにある「参考様式1 事業計画書 記載項目」から転載しました。)
 

(21) 「付加価値額」「経常利益」等の算出根拠
(20) 利益計画の表の「付加価値額」「経常利益」等については、算出根拠を明記するように求められています。そこで例えば以下の表を用いて説明します。あるいは文章で表現しても良いです。
 

例 会社全体の事業計画(表)における経常利益、付加価値額の算出の根拠は以下の表に基づく 

付加価値額算出根拠

付加価値額算出根拠


 

例文(文章で表現する場合)

  • 前掲の売上増加計画により、○○の売上が平成○○年〇月期には〇%増加し、対して費用は〇%の増加にとどまるため、営業利益は〇円増加する。
  • これにより経常利益は〇%増加する。
  • 人件費は、平成○○年〇月期に社員●名を採用するため、〇〇万円増加する。
  • 設備投資は、平成○○年〇月期に補助事業により○○万円行う。また、平成○○年〇月期には、新たに○○を投資する。
  • これに伴い、減価償却費は、平成○○年〇月期は、…
  • これにより付加価値額は、〇%増加する。

 

審査項目(3)事業化面 ④補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性)が高いか。
 

(22) 補助事業終了後5年間の事業化スケジュール
予定している取組を例のように図式化します。
(平成30年度補正ものづくり補助金の記載例にあったため記載しましたが、この(22)は書かなくても問題ないと思います。)
 

1-1 経過年数
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
例 市場調査
例 追加開発
例 生産
例 販路開拓

※「経過年数」とは本事業による補助事業終了後の経過年数を示します。
 

上記表の各項目を簡潔に説明します。(各項目1~3行程度)
 

(23) 売上の増加額(5年間の売上と利益の増加計画)
5年後までの補助対象事業と会社全体の売上高の増加を考えます。補助金では費用対効果が求められます。補助金額に対して、5年後の売上高の増加を3倍以上が望ましいです。
 

補助事業対象製品売上高                          (単位 千円)

1-1 経過年数
1年目
平成**年**月期
2年目
平成**年**月期
3年目
平成**年**月期
4年目
平成**年**月期
5年目
平成**年**月期
新規A社
新規B社
補助事業対象製品売上高合計
その他の製品売上高
合計

(注)「経過年数」とは本事業による補助事業終了後の経過年数を示します。
 

(24) 補助金に対する費用対効果

例文
・本事業の成果により、対象事業製品の売上は、平成**年*月期から平成**年*月期の間の5年間で**円から**円と、**円増加する予定である。
・これは補助金額**円に対し費用対効果は**倍である。

 

審査項目(4)政策面 
①地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長を力強く牽引する事業を積極的に展開することが期待できるか。
②ニッチ分野において、適切なマーケテイング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
③バイオマス素材を用いた資源循環型プラスチック製品の開発等、環境に配慮した持続可能な事業計画となっているか。

 

(25) 政策面に対する取組

今回の改定により大きく変更された審査項目です。この事業をつくっている人の想いがにじみ出るような文章ですが、具体的な例を入れたことで該当しない企業にとってはとても分かりにくい文章で、「何を書いたらいいんだ」と思うかもしれません。審査員は事業計画全体から、これらの3項目を配点すると考えられます。ただし見落としを防ぐために、該当する内容に小見出しをつけて書けばより確実です。具体的な内容は、以下のようにキーワードをばらし、その中から自社が該当する部分を探して書きます。
 

①「地域の特性を生かした付加価値の創出」「地域の事業者等に対する波及効果」「地域の経済成長に貢献」
皆さんの地域の規模、会社の規模にもよりますが、中小企業1社が頑張っても地域の経済成長を引っ張ることは困難だと思います。従ってここは作文になります。

地域の特性は製造業であれば「地域の取引先や仕入れ先の特徴」、サービス業であれば「人口や街の特性を生かしたサービス」などを書きます。それらを活かし自社の売上が上がることで「取引先の安定した生産や高い品質の実現」「仕入れ先への発注量の増加」などを地域経済への貢献として書きます。サービス業であれば「新たなサービスの提供による雇用の増加」や「街の活性化」を書きます。このテーマに少しでも触れてあれば良いのであまり悩まずに書きます。

例 本事業の成果により、○○(事業課題、技術的課題の解決)することで、取引先A社に高品質・低コストの○○を提供することで地域の自動車産業の発展に貢献する。また協力会社への発注の増加、当社での雇用の増加により地域経済の発展に貢献する。

 

②「適切なマーケティング」「独自性の高い製品やサービスによる差別化」「グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性」
独自製品や革新的サービスであれば、市場調査や企画、販売による「適切なマーケティングと差別化」を書きます。ものづくり技術であれば独自の技術による差別化を書きます。

「グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性」については、海外の競合と比較して独自の技術やサービスなどレベルが高い取り組みであることを書きます。(本当に海外の事例と比較されるわけではないので自信を持って言い切ります。) もし自社の事業が国内のみの事業の場合、逆に海外にはない独自の技術やサービスであると書きます。

例 本事業の成果により、○○(事業課題、技術的課題の解決)する会社はまだ限られており、特に海外の部品メーカーで実現しているところは少ない。○○により取引先A社の製品は性能・コストで競合に対して優位となり、グローバル市場において優れた○○の供給を実現する。

 

③環境に配慮した持続可能な事業計画
文章の前半のバイオプラスチック云々は無視します。後半の持続可能な事業については、生産性向上の取組であれば、生産時間が短くなれば使用するエネルギーも少なくなるため、これを省エネルギーに結び付けます。

品質向上は廃棄ロスの低減に結び付けて書きます。革新的サービスの場合、サービスを受ける顧客のメリット(時間短縮や利便性向上)を生産性向上などにつなげます。

例 ○○(事業課題、技術的課題の解決)により不良率は減少し原料ロスの低減はより環境に配慮した製造を実現する。また生産時間が〇%減少することで消費エネルギーが減少し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 

7、申請書の項目作成4(事業実施のための体制)

審査項目(2)事業化面 ①事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。金融機関からの十分な資金の調達が見込まれるか。
 

(26) 社内体制
この事業の総責任者、開発責任者、開発従事者(メンバー)、経理責任者を書きます。

規模の小さい会社では、開発責任者と開発従事者が同じでも構いません。

経理だけは、できれば専任の担当をつけてください。

総責任者 代表取締役 経済次郎 開発責任者 取締役工場長 経済三郎

開発従事者 ○○○○ ○○○○ 経理部門責任者 ○○○○

 

(27) 技術的能力

この開発に従事する者の業務遂行能力を示します。
通常は開発に関係する業務の経験年数(5年以上)を書いておけば大丈夫です。
他に技能検定などの資格も有効です。


自社の技術的能力の現状

氏名 役職 開発の担当内容 開発に関連する経歴
○○○○ 班長 溶接 ○○年
○○○○ 主任 設計 ○○年

 

記載例
・事務処理能力面
本事業の日程管理・進捗は、****が計画に対する進捗管理を行う。
本事業に関わる費用は、経理担当の****が専任し、個別に集計し管理する。

 

(28) 社外体制

外部の協力者との関係を図に示します。この図では左側に供給側の協力者(機械メーカー、材料メーカー、ソフトウェアメーカーなど)、右側に顧客など提供側の協力者を書いています。
例えば供給側からは、設備の設定、調整や運用の指導を受けます。材料メーカーからは材料の特性や材料に合わせた加工条件の指導を受けます。
例えば提供側には、本事業を使って製造した製品の評価を依頼します。評価に公設試験所を活用しても良いです。
図と合わせて自社と協力者の役割を簡潔に箇条書きにします。
ここで重要なことは、開発における自社の役割をしっかりと書くことです。公募要領に「事業の主たる課題の解決そのものを外注又は委託する事業」「試作品等の製造・開発の全てを他社に委託し、企画だけ行う事業」は該当しないと明記されています。その一方、自社の人件費は補助対象外のため、実際は自社の社員が機械の立上げや調整、新サービスの開発など開発業務に従事していても申請書に詳しく書いていないことがあります。そして具体的な内容が書いてなければ製造・開発を全て他社に委託したと審査員が判断する危険性があります。そうならないためにも自社の役割、具体的な取組をしっかりと書きます。

 


事業における当社と社外との協力体制を下記に記す。
 

図3 社外との協力関係

図3 社外との協力関係


 

  • A工業(株)(申請者)は、(自社の役割をしっかりと書く)・・・
  • B産業(株)は、・・・
  • E(株)は、・・・
  • D大学は、・・・
  • F工業試験所は、・・・

 

(29) 具体的な取組内容

設備導入から、立上げ、開発までのプロセスを書きます。
設備導入であれば、1) 設備仕様の確定、2) 設備選定、3) 設備の導入・設置、4) 操作教育、 5) テスト加工、6) 評価、7) 顧客の評価など、少なくとも7ステップぐらいはあると思います。

技術課題の解決方法は、具体的な取組内容をここに書きます。(1)外部との連携、(2)購入する備品・設備、(3)数値化された達成度を書きます。
さらに課題解決に必要な工程と、工程ごとの開発内容や使用する材料・機械装置等を漏れなく書きます。また具体的な目標及びその達成手段も書きます。
(「必要に応じて図表や写真等を用い具体的かつ詳細に記述する」と前年度までの記入例に記載してありました。ただしこの部分のボリュームがあまり多いと、ページ数が多くなるので、私は簡潔に箇条書きすれば良いと思います。)

1. 機械仕様の決定発注
B金属㈱、A会社㈱は、・・・・
2. 加工装置の製造
A会社㈱は、・・・・
3. 据付、試運転、調整
B金属㈱は、・・据付し、C会社㈱の協力を受けながら・・調整する。

 

(30) 事業実施のスケジュール

上記(29)の具体的な取組内容の項目と合わせて、各項目の実施者と日程(矢印で可)を書きます。実施者は、自社は担当者名まで、社外は会社名を記入します。

(機械装置の取得時期や技術の導入時期の詳細にスケジュールを記載します。)

表3 日程表

表3 日程表


補助事業実施期間      交付決定日より   ヵ月間を予定
 

(31) 当社の最近の財務状況と資金調達の見込み

自社の直近2年間の売上、経常利益、当期純利益を書き、経営的に問題ないことを示します。
決算書が赤字や債務超過の場合は、その理由を書き、それが今後解消される見込みであることを説明します。(債務超過でも採択された例はありますが、決算書などから補助事業の継続が困難ではないかと審査員に思われると不利になります。)
補助事業の自己負担分とつなぎ融資についても書きます。


当社の直近の決算状況は以下のとおりである。
平成○○年〇月期が、売上高の○○千円、経常利益○○千円、当期利益○○千円
平成○○年〇月期が、売上高の○○千円、経常利益○○千円、当期利益○○千円
本事業に必要な資金は、自己負担分、補助金相当額とも融資により調達する。融資については○○銀行○○支店より快諾を得ている。

 

(32) 専門家の活用
技術導入指導やその他コンサルティングなどに専門家を活用した場合は、活用する専門家とその役割を書きます。(専門家謝金の金額は公募要領に規定があるので注意します。)

例文
本事業において、材料○○を□□の条件で加工する際に、加工条件の設定や加工速度の向上の助言のため○○会社OBの△△氏の協力を受ける。設備導入後のテストカットにのべ10日間立ち合い、当社生産技術部**と共同で条件設定と加工後の形状評価を行う。費用は1日3万円、合計30万円を予定している。

 

8、申請書の項目作成5(賃上げ)

(33) 賃金上昇への取組
賃金上昇の取組が審査の対象に入っています。最低でも以下の内容は書きます。

  • 事業計画期間内で、給与総支給額を年率1.5%以上増加
  • 事業計画期間内で、最低賃金を地域別最低賃金プラス30円以上とする。

 
賃上げについては、別紙 決意表明書の書式をものづくり補助金ポータルサイトよりダウンロードし記入します。
 

(34) 賃金上昇への取組(加点事項)
総支給額2%/年増加かつ最低賃金プラス60円、または総支給額3%/年増加かつ最低賃金プラス90円を表明すれば加点されます。ただしかなりの経費増加になる場合があるので注意します。
 

9、申請書の項目作成6(表題、要約)

(35) 事業計画名
事業計画名は審査対象ではありませんが、審査員は、表題と要約を見て内容を想像し、読み進めていくので、内容を的確に伝える表題が望ましいです。
設備投資であっても、開発、改善、新事業展開など革新的な取組をイメージさせる表題が望ましいです。
なお事業計画名はホームページで公開されるので、自社の営業秘密や顧客との守秘義務に該当する内容は書かないようにします。

(30文字程度)例文1 
(新型、高速、高精度など設備の機能) な○○(設備名) の導入により、 (高精度、低コスト、少量生産対応など事業の成果) な○○の開発 (実現、達成など成果を示す言葉)
例文2(中央会のサンプル)
□□の市場獲得を目指すための□□の△△による◎◎◎の生産プロセスの改善

 

(36) 概要(要約)
要約も公開される可能性があると公募要領にあります。(公開されたことはないようですが。)
公開されて困ることは書かない方が無難です。
この要約は審査員等関係者がその事業の概要を把握するためのものなので、決められた字数の中で補助事業の概要が分かれば良いです。自社の経営課題、補助事業の内容、12分野との関連、補助事業の予定する成果を書きます。
□に平成30年度補正の際の中央会の例文を入れましたので、これを自社の事業に当てはめて書けばよいです。

(100文字程度)中央会の例文 (カッコ内は補足)

現在、○○(自社の事業)において、○○(生産性向上、精度向上、コストダウンなど)のためには、△△や□□(後述の事業課題)が課題となっている。そこで、これらの課題を解決するため、12分野の技術の「○○に係る技術」により、□□、△△、及び○○(設備導入、技術開発、創意工夫)を行い、◎〇◎、△△△及び□□□(具体的な生産性向上、精度向上、コストダウン)を実現させ、試作品を□□△の業界に売り込む(あるいはこの技術をPRして既存顧客への拡販、新規開拓、新たな業界への展開など)ことを目指す。

 

10、申請書作成の注意点

  • 審査者は専門技術に詳しいとは限りません。業界用語や専門用語はできる限り減らし、どうしても必要な用語は、注釈を追加します。
  • 主語+述語、又は 主語+目的語+述語 のシンプルでわかりやすい文章を心がけます。長い文章は、意味を読み違えたり、作成者の意図が伝わらなかったりします。学会誌に掲載される学術論文はこのような文章の参考になります。
  • 完成後は、第三者に読んでもらい、意味が相手に正しく伝わるか確認します。できれば専門知識のない人に読んでもらうのが良いです。専門技術を専門でない人に文章で的確に伝えるのは意外と難しいものです。過去に内容が審査員に理解されなかったために優れた事業計画が不採択になった例もあります。
  • 例えば「AはBである」「BはCである」「故にAはCである」となるようにします。まれに「AはBである」「BはCである」「故にAはDである」と論理構造のおかしい文章があります。技術課題の説明では内容に気を取られてしまい、文章の論理構造がおかしくなっていることがあるので注意します。
  • 技術内容を文章だけで説明するのは大変なので、できる限り図や写真を使い視覚的に伝えます。
  • 公募要領の審査項目を申請書の小見出しにすれば、審査員が審査項目を見落とすリスクがなくなります。本マニュアルのテンプレートは審査項目に合わせて小見出しをつけてあるため、記載内容が一部重複しています。
  • 「現状→経営課題→解決方法(補助事業)→成果・展望という一連のストーリーの整合が取れているか」
    「国の担当者が採択したくなるような事業内容か」
    確認します。

 

11、実際の入力

実際の入力

  1. 事業計画名
  2. (35) 事業計画名 を入力します

  3. 事業計画の概要
  4. (36) 概要(要約) を入力します

  5. その1 具体的な取組内容
  6. その2 将来の展望

 

「その1 具体的な取り組み内容」「その2 将来の展望」は、本マニュアルの各番号の内容を、弊社の提供するテンプレートの各番号に、コピー&ペーストすれば完成します。
 

テンプレートは、
「その1 具体的な取り組み内容」ものづくり技術
「その1 具体的な取り組み内容」革新的サービス
「その2 将来の展望」ものづくり技術・革新的サービス共通
の3つがあります。
 

申請書のテンプレートはこちらのページでダウンロードできます。
 

このテンプレートでは同じような内容が複数個所に書かれていますが、これは審査員が見落とさないように審査項目の順番に従って記載しているためです。

 

  1. 会社全体の事業計画
  2. (20) 利益計画を入力します。
     

    会社全体の事業計画                                 (単位:円)

    1-1 基準年度
    [ 年 月期]
    1年後
    (補助金事業実施年度末)
    [ 年 月期]
    2年後
    [ 年 月期]
    3年後
    [ 年 月期]
    4年後
    [ 年 月期]
    5年後
    [ 年 月期]
    ① 売上高
    ② 営業利益
    ③ 営業外費用
    経常利益(②-③)
    ④ 人件費
    ⑤ 減価償却費
    付加価値額(②+④+⑤)
    伸び率(%)
    ⑥設備投資額
    ⑦給与支給総額
    伸び率(%)

               
     

  3. 賃金上昇への取組 (加点事項)
  4. (33) 賃金上昇への取組(加点事項)を入力します。

  5. 付加価値額算出の根拠
  6. (21) 「付加価値額」「経常利益」等の算出根拠をワード、またはエクセル等で作成し、pdfに変換して添付します。

 
申請書のテンプレートはこちらのページでダウンロードできます。
 

完成した申請書をpdf化し、電子申請のマニュアルに従い添付します。
 

その際、テンプレートのファイル名は英数字になっているので、以下のようなわかりやすい名前に変えます。

  • R1_template_sono1_monozukuri → 事業の具体的内容
  • R1_template_sono1_service → 事業の具体的内容
  • R1_template_sono2 → 将来の展望
  • R1_template_sono3 → 付加価値

 

必要書類も忘れずに添付します。
 

以上で申請は完了です。
 
 


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