コンサルタントの効果的な活用方法 その1

コンサルタントを上手に活用して、会社の業績を高めている経営者の方と、

高額な費用をコンサルタントに払っても成果が得られない経営者の方がいます。

後者は、中小企業だけでなく、大企業にも事例があります。

 

高額なフィーに見合わないコンサルティングの例

 

経営破たんしたアメリカのエンロン、その粉飾決算を行ったのはアメリカの会計会社アンダーセンです。

アンダーセンはこの事件がもとで解体しました。

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このエンロンの外部顧問は、あの有名なコンサルティングファームのマッキンゼーでした。

彼らは高額なフィーを取りながら、破滅に進むエンロンに適切な戦略を提示することができませんでした。

 

中小企業におけるコンサルタントの活用

 

では、中小企業におけるコンサルタントの活用のポイントは、何でしょうか。

企業にプラスの変革を起こす

それは、将来、企業にプラスなるような変化を社内に起こすことだと考えます。

具体的には、

 

そのためには、最初に経営者のから望む姿、向かうべき方向をお聞きし、

それに合った組織や仕組み、仕事のやり方を一定期間かけて変えていきます。

 

具体的に、企業の方や経営者と共に、やり方や仕組み(ルール)を作っていきます。

そして実施する際に、問題が起きれば、一緒に解決します。

 

企業が自力で仕組みを維持できること

コンサルティングのゴールは、コンサルタントがいなくても変革が継続することです。

コンサルタントが来て、

「あれをしない!これをしなさい!」

と指導を受けている状態では、真の変革は実現できません。

実はこのような変革は

企業自身が時間をかけて、やり方を調べ、学べば

コンサルタントは必要ありません。

ただそれには、時間がかかります。

 

時間とノウハウを買う

コンサルティングとは、コンサルタントからノウハウを買うことで、時間を節約することです。

また多くの変革は、社内の抵抗を伴います。

そこでコンサルタントに社内の抵抗を受ける憎まれ役をやってもらうのです。

 

従って、コンサルティング費用は、

コンサルタントの時間給でなく、

コンサルティングの結果、変革した仕組みややり方に対する価値です。

 

そして大事なことは、

そのコンサルティングは、企業のビジョン、つまり将来の目指す姿に基づくものでなくてはなりません。

時には、経営者の方と、

まず将来のビジョンを作ることがコンサルティングのテーマ

になることもあります。

このビジョンがないコンサルティングはどうなるでしょうか。

 

ビジョンのないコスト削減

 

例えば、一時期流行したBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)というものがあります。

これはコンサルタントが、BPRという考え方、ツールを使い業務のムダを洗い出し、業務効率を高め、コストを削減するものです。

外部の人間の新たな視点を導入することで、

今まで気づかなかったムダがわかり、コスト削減で業績が向上します。

 

こう聞くと、よく聞こえますが、その業績は「短期の業績」です。

 

そこには将来のビジョンや会社の成長性はありません。

なぜなら、会社の成長の為に投資することは、現在の業績を低下させるからです。

 

コスト削減がさらなる苦境に

例えば、赤字解消のため、生産性の低い人員を退職させ、人件費を削減します。

現場を調べたら、4人の仕事は、2人できることが分かりました。

ベテランで人件費の高いAさんと、入社したてで生産性の低いBさんを退職させ、中堅の二人を残します。

その結果、損益計算書は改善しましたが、若手がいなくなっ将来の技能が伝承できなくなりました。

なにより、その仕事は最低でも三人は必要な仕事でした。

それを無理やり二人で行ったため、品質が低下、不良が増加しました。

それが原因で徐々に売上が低下し、数年後には再度赤字に転落しました。

さらに多忙な職場に、1人が体調を壊し、休職してしまいました。

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実際、アメリカでは、コンサルタントが入ってBPRやコスト削減を行った会社が、業績をさらに悪化させた事例が少なくありません。

 

コンサルティングの成果が想像できる計画書

 

経営者の方とお話ししていると、成果報酬という意見もお聞きします。

成果報酬を求めるのは、

先に述べたコンサルティングの成果が見えないためです。

 

では、コンサルティングの成果は、どうやって表すのでしょうか。

コンサルティングの成果物をコンサルティング計画書でしっかりと表すことです。

その企業に

どのような仕組みが構築できるのか、

コンサルティング期間中に何を行っていくのか、

期間と内容を表した提案書がコンサルティング計画書です。

 

これにより、経営者の方は

コンサルティング終了後の姿がイメージでき、

そこに費用をかけるべきかどうか判断できます。

 

このように考えると、成果報酬型のコンサルティングの危険も分かると思います。

短期的な成果を追求した結果、コンサルティング終了後は、荒れ野のような状態になりかねません。

それはコンサルタントの資質よりも、成果報酬型の持つ特質です。

 

コンサルタントが収益を上げようとするとき、

クライアント企業の将来性が犠牲になったとしても、

クライアント企業の目先の利益が増え、自社の売上も増えるのであれば、

止められなくなります。

このように会社の将来の方向性に沿わないコンサルティングは危険です。

 

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

 

では、大企業の場合はどうでしょうか?

そして、その大企業に規模の大きいコンサルティングファームが入った場合は…。

様々な経営手法やツールを持っています。

しかしそのツールを駆使して行うプロジェクトの目指すところはどこでしょうか?

かつて、アメリカの大手コンサルティングファームで活躍した女性が、その裏側を語った本が、

カレン・フェラン著「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です」

 

では、業績を改善するには、どうすれば良いのでしょうか?

それについては、別の機会にお伝えします。

 

 

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