製造業の新規受注 ~売れる説明のポイント「FAB」その2

以前ブログで、製造業の営業など大型商談に抜群の効果を発揮する

SPINという技法を紹介しました。

このSPINは、状況質問,問題質問,示唆質問,解決質問という

4つの質問により潜在ニーズを顕在化する手法です。

 潜在ニーズが顕在化し、顧客に解決策がイメージできたとき

商品説明に入ります。

このときのポイントがFABです。

このFABは、Features、Advantages 、Benefitsの略です。

Features(特徴):商品の特徴・機能・性能・価格などの事実です。

Advantages(利点) :商品の良さ・優位性など、売手側の視点で

             見たメリットです。

Benefits(利益) :その商品を使用した結果、顧客に生じる変化・利点、

           すなわち顧客の視点からのメリットです。

このBenefits(利益)は顕在化した顧客のニーズに対する解決策です。

このFeatures、Advantages 、Benefitsについて、以下の例で説明します。

 ディーラーにAさんが車の点検に来ました。

 点検が終わるまでの間、Aさんに4つの質問を行ないます。

状況質問

店員 「失礼ですが、ご家族は何人ですか。」

Aさん「5人です。」

店員 「お子様は、何人ですか。」

Aさん「男の子が2人だよ。」

,問題質問

店員 「今お乗りの車に何かご不満な点はありますか。」

Aさん「特にないよ」

店員 「お子様が男の子だと、活発ですよね。

   休日はどのようにしてお子様と遊ばれるのですか。」

Aさん「うん、毎年キャンプに行っているよ。

    でもね、キャンプ道具一式積むのは大変なんだ。」

店員 「キャンプは週末に出かけることが多いと聞きますが、

    荷物の積み込みに時間がかかるのは大変そうですね。」

Aさん「そうなんだ、もうキャンプに行く前からくたくただよ。」

ここで今の車はキャンプに行くとき、荷物が楽に積めない、

荷物が多いと運転が疲れるという問題が顕在化しました。

,示唆質問

店員 「そうですと、キャンプに行くのも一苦労ですね。」

Aさん「うん、時にはもうかんべんしてよと思うこともあるよ。」

店員 「でも、せっかくのキャンプだから、お子さんは楽しみにしていますしね。」

Aさん「そうなんだ。」

店員 「でも、行く前から疲れて、長時間のドライブでは大変ではないでしょうか。」

Aさん「うん、結構きついよ。それに荷物を一杯積むと走らないんだ。」

店員 「それは結構ストレスがたまりますねえ。」

Aさん「うん、それを考えるとキャンプに行くのは気が重いよ。」

ここで顕在化した問題は、より大きな問題とて認識されます。

,解決質問

店員 「どんな車だったら、アウトドアレジャーがもっと楽になるのでしょうか。」

Aさん「そうだね、荷物が今の車の倍は積めて、エンジンに余裕があって、

燃費もいい車だったらいうことないね。」

店員 「そいう車に替えたら、どんな変化があるでしょうか。」

Aさん「キャンプにもっと楽に行けるようになったら、毎月行ってもいいね。

子供はキャンプが大好きだから、きっと喜ぶと思うよ。」

購買意欲、潜在ニーズ

車を買い替えることで明るく楽しい未来をイメージ

ここで問題が解決したら、どうなるか具体的にイメージすることで、

「問題を解決したい」と強く思い、購買意欲が高まります。

ここで商品説明に入ります。

Features(特徴)

店員 「今度発売になったミニバンですが、排気量が1600ccで

    コンパクトなんですがハイブリッドなんです。」

Advantages(利点)

店員 「そのため、燃費が25km/lと非常にいいんです。

    車体も思いの外コンパクトで取り回しもいいんです。

    しかもセダンの2倍の荷物を積むことができるんです。」

Benefits(利益)

店員 「これならキャンプ前日の荷物の積み込みの時間は半分になります。

    実燃費が今の車の1.5倍良いので、遠出してもガソリン代が3割は安くなります。

    1泊のキャンプでガソリン代が9,000円かかったとすると、6,000円で済みます。

    年間10回出かけると、その差は3,0000円になります。

    つまり2年で、車検の諸費用を浮かせることができます。」

Advantages(利点)は顧客にとって、具体的なメリットとして実感されないため、

この商品を買いたいという購買意欲はそれほど強く起きません。

しかし、Benefits(利益)を語ることで、顧客はその商品によって得られるメリットを

具体的にイメージし、購買意欲が強くなります。

商品説明で、Advantages(利点)しか語らないのと、

Benefits(利益)まで語るのとでは、結果に大きな差が生じます。

 

売れる説明のポイント「FAB」その1については、こちらから参照いただけます。

トップ企業が次々と導入した営業スキル「SPIN」については、こちらから参照いただけます。

「SPIN」の核心、4つの質問については、こちらから参照いただけます。

ものづくりの営業におけるSPINの応用 その1については、こちらから参照いただけます。

 

 

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