デジタルトランスフォーメーションの真実と本当の怖さ

最近よく聞く言葉がデジタルトランスフォーメーション(以降DX : Digital Transformation)、新聞やマスコミ、ネットニュースで聞かない日はありません。多くの記事には「世界中でデジタル化が急速に浸透する中、多くの日本企業は遅れている」とも書かれています。

しかしそもそもDXとは何でしょうか?
今何をしなければならないのでしょうか?

DXの本質について考えました。
 

1.DXとは何か

DXとはどのような意味があるのでしょうか?

DXの定義は実は明確ではありません。
 

【広義のDX】

広い意味では、今現在私たちが直面している変化です。それは

「情報技術によって、様々な現実が融合され、結び付き、全てが繋っている世界へと変わっていきます。それは私たちの現実に対する理解、あるいは認識を変えていきます。従来の物理的なものに加えてデジタル化したもの(成果物)がよりインテリジェントになり、現実世界に大きく影響するようになり、個人の関心毎や価値観に変化を与えます。」

スウェーデンのウメオ大学教授エリック・ストルターマン氏が2004年に書いた論文「Information Technology and the Good Life」の主旨です。この論文で初めてDigital Transformationという言葉が使われました。エリック・ストルターマン氏の論文は思想的、哲学的な内容を含んでいて、その解釈は人によって様々です。
 

【狭義のDX】

「企業がAIやIoT、ビッグデータなどのデジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務を変革する抜本的な取り組み」

を指しています。

ここでAIやIoT、ビッグデータは必須でありません。従来の情報通信技術(IT : Information Technology)を活用して、業務の効率化や競争優位を獲得することも含まれます。
 

経産省のDXレポート

DXという言葉が広く知られるきっかけのひとつが経済産業省(経産省)のレポートです。

経産省は2018年に「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート」~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本質的な展開~ を発表しました。2020年には続編として「DXレポート2 (中間とりまとめ) 」を発表しました。2018年のDXレポート1には

あらゆる産業において、新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビジネス・モデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起きつつある。こうした中で、各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められている。

このような中で、我が国企業においては、多くの経営者がDXの必要性を認識し、DXを進めるべく、デジタル部門を設置する等の取組が見られる。

しかしながら、PoC(Proof of Concept: 概念実証、新しいプロジェクト全体を作り上げる前に実施する戦略仮説・コンセプトの検証工程)を繰り返す等、ある程度の投資は行われるものの実際のビジネス変革には繋がっていないという状況が多くの企業に見られる現状と考えられる。

と書かれています。そして

今後DXを本格的に展開していく上では、DXによりビジネスをどう変えるかといった経営戦略の方向性を定めていくという課題もあるが、そもそも、既存システムが老朽化・複雑化・ブラックボックス化する中では、データを十分に活用しきれず、新しいデジタル技術を導入したとしても、データの利活用・連携が限定的であるため、その効果も限定的となってしまうという問題が指摘されている。

と続き、その後は既存ITシステムの老朽化、複雑化、ブラックボックス化し、レガシーシステム(古くなったコンピュータシステム)となっている点を指摘しています。
 

レガシーシステムの問題?

このDXレポート1を読むとDXの主題は「レガシーシステムの問題」でした。

これについてDXレポート2ではDX の定義として、

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立する」

として、レガシーシステムの問題でなく、デジタル技術を活用して変化に柔軟に対応できていないことが問題としています。

ところがDXレポートに書かれている変化は、

  • 業務のオンライン化(テレワーク)
  • ペーパーレス化
  • DXの推進体制やITベンダーの役割

です。

これは競争優位につながるような変化なのでしょうか?

ではDXがもたらす変化とは何でしょうか?

DXがもたらす真の変化について調べました。
 

2.DXは目的か手段か

DXに関して多くの書籍(DX本)が出版されています。このDX本にはどのようなことが書いてあるのでしょうか。
 

DXの本にある劇的な変化

多くのDX本には、現在社会には以下の3つの大きな潮流があると書かれています。

  • データのデジタル化の推進
  • IoTなど人やモノがネットワークでつながる
  • コンピューターの中の仮想世界とリアルな現実がシームレスでつながる

 
これらが新しい体験や新しい価値を生み出し、従来の事業を崩壊「ディスラプション(disruption)」させると主張します。
 

図1 社会を変化させる3つの潮流

図1 社会を変化させる3つの潮流

しかし具体的に、どのような崩壊が起きるのか、書かれていません。
 

目的と手段の順序が違う

DXは、先に述べた「AIやIoT、ビッグデータなどデジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務を抜本的に変革する」ことで、新たな事業が生まれ、従来の事業が崩壊するといわれています。

つまり図2のようにデジタル化という「手段」を使うことで、大きな変革を生み出し、競争優位の確立することがDXです。

しかし競争優位の確立は目的でしょうか?

本来は、事業変革の目的は
対象(顧客)の課題の解決や利便性向上など
新たな価値の創出です。

そのための手段がデジタル化やITによる変革(DX)です。

その結果得られるものが競争優位です。
 

図2 DXの定義

図2 DXの定義

目的と手段の取り違いが、DXに関する議論を読んでもピンと来ない原因ではないでしょうか。

目的があいまいでも、DXというツールを導入すれば新たな価値は生まれるのでしょうか?

またDX本には「デジタル化(テレワーク)で浮いたコストや時間を使って新しいビジネスへ投資する」とも書かれています。しかし実際は逆です。

「新たな事業に取り組まなければならない必然性」
があって「どうしてもリソースが足らない」から、DXでも何でも使って余力をつくるのです。

そうでなければDXで生まれた余力は有給消化や人員削減などで消えてしまいます。

あるDX本には「ITを使って変化を起こし売上や利益を伸ばす仕組みをつくる」とありました。しかし、

  • ITを使えばどのような変化が起き
  • どのような売上や利益を伸ばす仕組みができるのか

具体的なものはありませんでした。
企業や組織がそれまでに築いた仕事のやり方、企業文化は堅牢です。
コンサルティングの現場で、何度もこの堅牢な壁に阻まれ、変革を起こすことができませんでした。
それがITやDXに取組めば変革を起こせるのでしょうか?
 

図3 DXによって新しい価値を生む

図3 DXによって新しい価値を生む

突然出てくる「アジャイル」とは?

DX本を読んでいるとなぜか「アジャイル開発とウォーターフォール開発」というソフトウェアの開発手法が突然出てくることがあります。

【アジャイル開発】
アジャイル(Agile)とは、『素早い』『機敏な』『頭の回転が早い』という意味です。システムやソフトウェア開発の手法で、全体を一気に構築するのでなく、小さな単位でシステム構築とテストを繰り返して開発する方法です。

メリット

  • 柔軟で臨機応変な対応ができるため開発スピードが早い
  • WEBサービスのように、最初にサービスの一部をつくって顧客の反応を見ながら改良するものに向いている
  • 小さな機能単位で実装とテストを繰り返すため、効率がよく、修正の手間が少ない

 

デメリット

  • 新たな機能をつくるときに前につくった機能の修正が発生する
  • 最初につくった機能をやり直すなど作業の重複や無駄が発生する
  • 要件ごとに計画を立てるため、プロジェクトの全体像が見えにくく、いつまでに完成するのかわかりにくい

 

図4 アジャイル開発

図4 アジャイル開発

【ウォーターフォール開発】
従来のITシステムの構築方法です。最初の段階で、機能仕様を決定し、『企画』『設計』『実装』『テスト』などを決められた担当者が行います。

メリット

  • 作業の重複や無駄がない
  • 全体の計画や進捗がわかりやすい

 

デメリット

  • どこかの工程で遅れが生じると全体が遅れる
  • 仕様など上流工程で変更があると、大きな後戻りが生じ、コストも大幅に上がる

 

図5 ウォーターフォール開発

図5 ウォーターフォール開発

アジャイル開発が最新の手法で、ウォーターフォール開発が古い手法というわけではありません。

開発するシステムの機能や性質によりアジャイル開発に向くシステムとウォーターフォール開発に向くシステムがあります。

なぜソフトウェア開発の手法がDXなのか理解に苦しみます。
 

DX本の内容と30年前のBPRの類似性

DX本では、DXを推進するためにDX推進本部を設立して全社的に進めることを提言します。しかし目的や課題があいまいなまま業務効率化のためにDXを推進して変革は生まれるのでしょうか?
競争優位の本質は

  • 商品が優れているか
  • 商品の提供方法が優れているか
  • 今までない商品やサービスで顧客に新たな価値をもたらすか

です。

アップルのiPodが売れた大きな要因は、スティーブジョブズがアメリカのレコード会社とタフな交渉を行い、自社の音楽ダウンロードソフトiTunesからアルバムの曲を1曲1曲バラで買うことができたことがありました。それを実現したのはジョブズの信念とタフな交渉力でした。

DX本に書いてある主旨は、30年前のBPR(Business Process Reengineering)の本の趣旨ととても似ています。

1990年代、元マサチューセッツ工科大学教授のマイケル・ハマーと経営コンサルタントのジェイムス・チャンピーの両氏がBPRを提唱しました。

BPRは、優れた企業をお手本(ベンチマーク)にして自社の業務を洗い出し、最も効率的なやり方(ベストプラクティス)に変えることで業務の効率化とコスト削減を実現する手法です。アメリカで大流行し多くの企業がコンサルタント会社にBPR推進のコンサルティングを依頼しました。

しかし短期的な成果を強く求める経営者によりBPRリストラ(人員整理)の代名詞となり不評を買いました。

図6 BPRの構成例

図6 BPRの構成例

3. DXで新しい価値を生む

一方、AI、VR、AR技術の進歩により今までにない製品やサービスも生まれています。さらにデジタル化で発生する大量のデータを活用すれば新たな価値を生むことができます。
 

AR技術を活用したLIXIL

住宅設備メーカーLIXILから独立した株式会社 K-engine(ケイエンジン)は、リフォームするキッチンやリビングの3D画像や見積を短時間で作成することができます。設備や部材の変更もその場で可能です。

LIXILグループには300万点以上の機器のデータや膨大なリフォームのデータがあります。 K-engineはこれを活用し、AR技術を使って実際の住宅の写真に新しい玄関の画像を貼って、リフォーム後のイメージを確認できます。
 

JR東日本のSuicaのデータ活用

日清食品はSuicaのデータから社員の出張旅費を自動的に清算するシステムを自社で開発しました。このシステムは他社でも利用できるため、日清食品はJR東日本と提携し外販を開始しました。

実は鉄道鉄道会社やバス会社の持っている時間帯別、曜日別の乗降客のデータは、新規出店や既存店の仕入れ予測、売上予測に活用できる非常に価値のあるデータです。2022年1月、JR東日本はこうしたSuicaのデータを今後は外販すると発表しました。

自動車が走っている時の振動やカメラの画像から道路やインフラの補修の判断を行う試みも検討されています。車のドライブレコーダーは常時街中の画像を取得していて、このデータを求めている企業に売れば大きなビジネスの可能性があります(プライバシーへの配慮は当然必要になりますが)。
 

4. デジタルマーケティングは新たな価値を生むか?

DXと一緒に広まっているデジタルマーケティング、これはどんなものでしょうか?

DX、デジタルマーケティングに関連して様々なカタカナ用語が氾濫しています。その意味を整理してみます。
 

デジタルマーケティング

Webサイトのユーザー行動に加えて、スマートフォンやタブレットや公式アプリの行動履歴、商品に搭載されたIoT機能から送られるデータ、これらバーチャルのデータに加えて、イベントでの来店データや販売履歴などリアルな活動データも併せて収集・分析します。これを活用して個々の顧客に対して、WEBマーケティングとリアルマーケティングを合わせて総合的にマーケティングすることです。
 

WEBマーケティング

公式Webサイトを訪れた顧客の、サイト内での行動を追跡して、顧客がどのような情報を求めているのかを探ります。そして顧客が情報に満足して購買につながるようにWebコンテンツを改善します。
 

オムニチャネル

従来のリアルなチャネルとWebを合わせたチャネル(顧客との接点)のことです。マス広告や実店舗に加えて、インターネット広告やメール、SNSなどデジタルツールも活用して顧客と多くの接点をつくります。
 

カスタマージャーニー

「顧客が商品を知った点から購入して実際に利用するまでのプロセス」を指し、一般的にはカスタマージャーニーマップとして図式化します。顧客との接点を図式化し、購買までの顧客の感情の変化を誘導して効果的な販売促進を行います。

図8 カスタマージャーニー

図8 カスタマージャーニー

データドリブン

データに基づいてマーケティングを組み立てます。データドリブンは以下の4つのアクションから成り立っています。

  1. データ収集
  2. ・社内のあらゆるデータを収集し、精査・統合
    ・場合によってはデータ管理ツールの導入

  3. データを「見える化」
  4. ・データを効率よく分析するため、集めたデータ分析しやすい形に加工(「見える化」するという)

  5. データ分析
  6. ・見える化されたデータを分析し、課題の設定や具体的な取組を引き出す
    ・データサイエンスとマーケティングの両方の知識が必要

  7. 実行する
  8. ・具体的なアクションプランを実行する
    ・実行するだけではなくPDCAをまわしてデータドリブンマーケティングを深化する

例 アスクルの一般消費者向けサイト「ロハコ」
自社のウェブサイトがどのように閲覧され使われているか、分析し、表示するシステムを導入しました。その結果、顧客が商品を探す時のニーズと、企業が売りたいものがずれていることがわかりました。

企業は「これを買ってください」とプッシュしていましたが、顧客は「毎日サイトを見に行けるし、さらに買い物ができるお店」を求めていた。クリックしても買わずにおいておく商品が多くあり、買うときはまとめて買います。こういった顧客は1回のサイト訪問で購入する比率は低くなります。

そこで同社は来訪者が購入に至る比率(コンバージョンレート)は追い求めないことにしました。
 

MA(マーケティングオートメーション)

マーケティングを自動で行うツールです。顧客の名前やメールアドレスを取り込むと、あらかじめ作成したメール文面を自動的に顧客に送信し、営業活動を自動化します。
 

Web解析ツール

Webサイト上での顧客の行動や、WEBサイトの検索順位などを分析するツールです。PV(ページビュー)数やUU(ユニークユーザー)数、直帰率など、サイトの訪問者数や行動データを細かく集計・分析できます。主なツールは、「Google Analytics」や「Adobe Analytics」などです。

図9 ウェブサイトは解析されている

図9 ウェブサイトは解析されている


 

SFA(セールスフォースオートメーション)

営業管理システムとも呼ばれ、営業プロセスや営業の進捗状況をチーム全体で管理し、効率化を図るツールです。案件の管理や営業レポートの作成など、営業業務を効率化するための機能があります。
 

エコシステム

元は生態系の用語です。ある領域(地域や空間など)の生き物や植物がお互いに依存しながら生態を維持する関係をエコシステムと呼びます。

例 iPhoneのエコシステム
iPhoneのエコシステムの画期的な点はAppStoreで誰でもiPhoneアプリを開発し、iPhoneで売ることができることです。これにより多くのアプリ開発者がアプリを開発し、短期間に膨大な機能をiPhoneは得ました。

初期のアプリ開発者の中には一人で開発したアプリがヒットして多額の売上を得た人もいます。開発されたアプリはアップルが審査して不正なアプリを排除したため顧客も安心して利用できました。

これは今までの携帯電話やPCにはなかったシステムです。
 

ツールが主役? 忘れられた顧客

そもそもマーケティングとは

企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念

顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセス

(Wikipediaより)

ピーターFドラッカーは
「マーケティングの理想は、販売を不要にするものである。」
マーケティングとは

  • 顧客のニーズに合った商品を、適切な顧客層に発信するための、「商品開発から販売戦略の策定、広告宣伝に効果検証までのプロセスを管理すること」
  • そして商品が「売れる仕組み」をつくること

これにより「買ってください!」とお客様にプッシュせずとも、お客様が買いたくなる状態になることです。
 

マーケティング本来の意味と比較すると、デジタルマーケティングは手法が先になってしまいます。そして本来PRを受ける顧客の考えや立場が置いてかれていかれています。

コンテンツが隠れるネット広告や、一度クリックすると何度も同じ広告を表示するターゲッティング広告などがいい例です。

実際、展示会でマーケティングオートメーション(MA)の会社と名刺交換すると、MAツールのPRメールが頻繁に来ます。しかしたまたま展示会で興味があって質問しただけなのかもしれません。それなのに何回も送られてくるMAツールのPRメールは効果があるのでしょうか? 
 

最近広まったお問合せフォームへの営業メール

企業のお問合せフォームに営業メールを送る手法が広まっています。これがRPA (Robotic Process Automation)などで自動化されれば、営業メールの洪水になりかねません。そうなると、お問合せフォームにRPAが入力できないようbot対策が必要になってきます。

注) RPA (Robotic Process Automation)とは、コンピューター上で行われる業務プロセスや作業を人に代わり自動化する技術です。人間が繰り返し行うクリックやキーボード入力など定常的な業務が自動化できる
 

見直されるデジタル広告

個人情報をもとに広告を配信するデジタル広告は、その広告を不快と感じる読者が増加しつつあります。さらに個人情報を補足する「Cookie」も広く使われています。アドネットワークの普及で、広告が質より量という考え方に変化し、ページビューを追い求める動きが加速しています。広告を掲載することでサイトの質が問われます。再び広告の質が問われています。

現状ではデジタルマーケティングはツールとして進歩しましたが、販売を大きく変革するわけではなく、革新的マーケティングではありません。しかしデジタルマーケティングは、

実は私たちの消費行動を変えてしまう怖さがあります。

 

デジタルマーケティングの本当の怖さ

なぜなら顧客が知りたい情報(記事やニュース)に自社の有利な情報を入れれば顧客の関心を誘導できるからです。Yahooニュースなどのネットニュースは顧客の嗜好に合わせて最適なニュース記事を表示します。顧客が自動車の記事を多くクリックすれば、自動車に関するニュースや記事を多く表示します。

A社が自社のある車を売りたければ、その車の記事をクリックした顧客に、その車に関連した記事、その車に乗っている著名人の感想、その車で行った旅行記事、その車の開発ヒストリーの記事を頻繁に表示します。

記事を目にする機会が増えれば、いつの間にか顧客はその車のファンになっています。そしてある日ディーラーで契約書にサインしています。

これはステマ(悪質なステルスマーケティング)ではありません。正しい記事を顧客の嗜好に合わせてて供しただけです。

実は私自身、yahooニュースを見ていて、気が付いたらある車種が気になって買おうとしたことがあります。少し古い車でしたが、その車の良さを語るいろいろな記事を見ているうちに、以前は全く興味がなかったその車が欲しくなっていたのです。結局中古車しかなく、希望に合うものがなかったので断念しました。そして買えなかった後、もう欲しいという気持ちがなくなりました。

気づかぬうちに、欲望を操作されたような気がします。

実は顧客の欲望を生み出す点はマス広告も同じです。ただWEBの場合、表示される記事やニュースを個人ごとに調整(最適化?)できる点がで費用対効果が非常に大きくなります。

ネットでは各個人が関心を持つ事柄の情報が各個人に集まります。物語性のある広告、著名人のレビューやその商品を使ったユーチューブ動画などさまざまなコンテンツを表示し、その商品に少しでも関心がある顧客が見れば、ファンを増やすことができます。そして買いたい気持ちを起こすことができます。これはグルメ番組を見て、その料理を食べたくなるのと同じメカニズムです。

しかもネットは情報量が多いため、影響は顕著に表れます。

巧妙にコンテンツを設計すれば、個人の嗜好や考え方まで操作できるのです。

 

商品でなく企業を知ってもらうために企業自らコンテンツを制作

一方広告ではなく、企業が自らコンテンツを制作し、コンテンツを通じて自社を知ってもらう取組があります。池江璃花子選手の競技復帰までのストーリーを描いたSK-II STUDIOの5分22秒の動画は、SK-Ⅱを販売するP&Gプレステージ合同会社が作成しました。

監督には是枝裕和氏を起用し、2021年3月29日に公開して、6月9日で再生回数1,990万回を記録しています。

テレビ放送の場合、視聴率1%は国民の1%, 125万人です。実際は世帯の1%であり、1%は関東地区では約40万人、関西地区では約16万人です。対して上記の動画は約2,000万人、しかも世界中の人が見ています。しかも費用は制作費のみのため、テレビ放送と比較して費用対効果は非常に高いといえます。

かつては東芝の「サザエさん」のように1社単独でテレビ番組のスポンサーになることで、自社の知名度を高めるとともに、テレビ番組のイメージを自社のイメージに重ね合わせていました。

これをネット上でも行われているのです。

こうしたファンほ増やす試みで成功したのがスバルです。

北米スバルは2007年よりアメリカで『LOVEキャンベーン』を広告展開しました。オーナーの愛車への思い入れ(=LOVE)を強調した宣伝活動は、共感する人が増え、結果として認知度やブランドバリューがアップしました。

従来からSNSを使って企業と顧客が交流しファンを増やす試みは行われていました。今後は、動画や様々なコンテンツを企業が自ら制作し、知名度を高めるだけでなく、積極的にファインを増やすことが増えると予想されます。
 

5. DXの例

では、具体的にDXによって変わったビジネスにはどのようなものがあるのでしょうか?
 

ペーパーレス、テレワークはDX?

DX関連の記事は、目的と方法の順序が逆になっています。例えばテレワークはコロナ禍の今日、国からもテレワークを強く要請されているため、テレワーク自体が目的になってしまいました。

しかしグーグルやアップルは、社員同士のコミュニケーションや、非公式の会話から生まれる気づきやひらめきを重視して、

職場に集まることに重きを置いています。

日本は和を重視する文化のため活発な議論がなかなかお菊ません。その上テレワークで非公式の会話もなくなれば新たな発想や気づきが生まれるのでしょうか。

そもそもペーパーレスは何のために行うのでしょうか。ペーパーレスでも決済欄が10個もあれば決済に時間がかかります。承認した10人の管理者のうち、何人がプロジェクトの失敗を引き受けるのでしょうか?

しかも効率的なペーパーレス化には印鑑を廃して電子印鑑の仕組みが不可欠です。しかし企業でもまだ決裁印が必要なところもあります。銀行はメガバンクでは口座開設に銀行印は不要になりました。しかし行政の印鑑登録と印鑑証明はそのままです。

図10 なくならない印鑑

図10 なくならない印鑑


 

AR・VR技術への期待

テレワーク、WEB会議の普及でモニター越しの会議が一般化しましたが、対面での対話と比べて、言語外の情報量が不十分です。相手の感情をゆすり、共感を得るようなコミュニケーションは困難です。人は言葉だけで会話するのでなく、表情やしぐさ、場の雰囲気など言語外の情報量が多いためです。

VR会議はこれまでのWEB会議と異なり、以下のメリットがあります

  • 非言語情報の伝達
  • これまでの資料に加えて3Dイメージの活用

  • 高い臨場感
  • 没入感が高いため会議への集中力が高まり、意思決定が速くなる

  • コミュニケーションの活性化

アバターで会議を行うことで、リアルに対面するよりも話しやすくなり、発言量が増える

これらの技術はNEC、NTTデータ、(株)Synamon等が取り組んでいます。
 

「話す、聞く」をシステムで対応

株式会社RevCommのMieTelは、AIで電話営業の会話を録音し、自動文字起こし、分析を行い、顧客情報の共有と営業トークの改善を行うシステムです。会話の抑揚、速度、説明と聞く時間の比率を分析し担当者にフィードバック、自ら振り返ることで自主的に多岐に渡り改善します。

一方、将来音声認識の能力が向上すれば、AIがコールセンター業務を行うことも可能になります。AIは多数の受け答えを全て学習できるので効果的に学習でき、多くの問い合わせに的確に応えることができます。また顧客から質問があったことをWEBサイトのQ&Aや取説のQ&A集に入れることで問い合わせ自体も減らすことができます。コールセンターのオペレーターは、顧客からひどい言葉を言われるなど労働環境が厳しく離職率が高い職種ですが、AIのメンタルは決して壊れません。
 

「調べる」をシステムで対応

アメリカのamplified ai, inc.(アンプリファイド エーアイ)はAIを用いた特許調査プラットフォーム「Amplified」を提供し、特許調査の時間を85%短縮しました。費用は1件当たり2万円です。特許調査には専門知識が必要で、出願前の先願調査は専門家に依頼すると多額の費用がかかります。「Amplified」は、特許の複雑な長文を比較し、類似順に整理する独自のAIを持ち、ある概念を文章で入力すると世界中の特許1億3000万件から類似特許を検索して、類似順に並べてリスト化します。これにより類似特許検索のスピードとコストが飛躍的に削減できました。
 

「助言」をシステムで対応

株式会社STANDING OVATIONはAIコーディネート提案アプリ「XZ(クローゼット)」を無料で提供しています。手持ちの洋服を登録してクローゼットの中身をデジタル化でき、世界最大級のオンライン・クローゼットとして成長しました。

特徴
クローゼットの総価値をグラフ表示します。着用回数をランキングで表示し、着用回数の少ない服や1年間着ていない服に気づくことができます。

着ていないアイテムを使ったコーデ提案や、AIが着ていない服を手持ち服と組み合わせ新しいコーディネートを提案します。

今後は店舗が無料のアプリを提供し、自社製品のコーディネートを確認できれば、顧客は安心して購入ができ、さらに靴やアクセサリなど追加購入も実現します。コーディネートは顧客の年齢、性別、嗜好に合わせて変えることができるので、実際の店員よりも対応範囲が広くなります。
 

6. 製造業のDX 

実は製造業の方が、DXによって大きな変革が起きる可能性があります。
 

キーワードは最適化

製造業はDXと相性が良い職種です。なぜならプロセスが明確で各プロセスからきれいなデータが手に入るからです。これを使って様々な取組ができます。キーワードは、モデル化(シミュレーション)と最適化です。

工業製品は金属など硬くて安定した材料が多くシミュレーションと相性が良いです。曲げや液体の流動などの物理現象をシミュレーションするツールも整っています。例えば以下の取組はすでに行われています。
 

構造解析

製品や構造物の静的強度、振動などのデジタルモデルをつくり、強度や振動特性をシミュレーションします。実物をつくる前に特性を評価し、不十分な場合は対策します。すでに自動車ではシミュレーションを十分に行い、最初の試作を行わない「試作レス」に取り組んでいます。これは現物を試作したからといって、問題点を全て洗い出せるわけでなく、シミュレーションの方が確実に評価できるからです。
 

流動解析など加工プロセスの分析

鋳造、ダイキャスト、樹脂成形での金型内での金属や樹脂の流れ、プレス加工での金属の変形や応力の変化は、現物の評価が困難です。そこでコンピューターでモデルをつくり樹脂や金属の流れやプレス加工時の金属の変形や絞りをシミュレーションします。これにより最適な形状の金型や製造条件を調べ、最初から適切な加工条件できます。

ものづくりでは、解析技術の進歩により今まで見えなかった物理現象が見えるようになりました。そしてこれまで何回もトライ&エラーを繰り返して探求してきた加工条件を少ない回数で実現できるようになりました。
 

プロセスの最適化

製造ラインも同様で、実際の設備をつくる前に3Dのモデルで実際の工場のモデルをコンピューターの内部で実現し、動かして評価します。ダッソーシステムズの「DELMIA」はコンピューターの中の3Dモデルで構成した設備を本番と同じPLCのプログラムで動かすことができます。コンピューターの中で正しく動けば、そのプログラムは実際の生産ラインにすぐに投入できます。

BMWは、グラフィックボードのリーダー企業NVIDIAと組んで最新のバーチャルファクトリーを構築しました。NVIDIAの「Omniverce」というプラットフォームは、人やロボット、部品、搬送などをコンピューターの中でリアルにシミュレートできます。しかも世界中のどこからでもリアルタイムにアクセスできます。工場設計エンジニアはこの仮想空間で工場のレイアウトや設備、人の配置、生産活動やモノの流れを決めて、リアルな再現度でシミュレートします。将来は、設計と企画、生産チームが連携して、実際の生産活動をすべてシミュレーションしてから、現実の生産がスタートできるようになる予定です。

シミュレーションできればどういった条件が最適か短時間で見つけることができます。例えば将棋や囲碁は、コンピューターの能力が向上し、プロに勝つまでになりました。コンピューターはこれまで人間が考え付かなかった打ち手を繰り出します。現在プロ棋士はコンピューターのこういった新たな打ち手を勉強し、対局の準備をしています。コンピューターによる最適化技術が進歩すれば、

熟練の技術者でも思いつかない製造条件の組合せが生まれる可能性があります。

 

変種変量生産の不良分析

モーター、ロボットの大手 安川電機の入間事業所は、サーボモーター400種類、サーボアンプ600種類を変種変量生産しています。生産中に発生する不良は、同じ不良でも機種が違えば内容が違うため、単純に比較できません。

そこで、製造工程で発生するデータと不良を引き起こす要因を分析し、FTA(故障の木解析)を活用して不良の因果関係の分析を行いました。その結果、従来はデータが少ないため不明だった不良の原因が特定できるようになりました。また、個別の製造不良と設計不良の見極めが容易になり、製造部門から設計部門へのフィードバックが増えました。

異音検査は熟練の作業者が耳で聞いて判定するため、その育成には最低でも9か月を要します。そこでモーターの振動を測定しAI(機械学習)で判定させました。AIで判定できないものだけを人が判定するようにしました。
 

生産ラインの見える化

住友ベークライトは樹脂原料の製造ラインに従来の100個/ラインのセンサーを300~500個/ラインに増やし、取得したデータはPLCを経由して一元管理しました。製造ラインの制御を細かくかつ自動化することで作業者の半減を実現しました。各工程のPLCからのデータはエッジPCの「Edgecross」というソフトで収集し、社内サーバーのAI推論モデルが正常かどうかを判定、異常があれば担当者に連絡します。
 

生産計画の最適化

どういった順番でどの製品をどの設備で生産するか、生産管理(あるいは工程管理)は変数が多く、最適な答えを出すのが難しい業務です。

しかしこういった多くの条件の最適解を出すのはコンピューターの得意分野です。厳密に言えば条件が多いと組合せ爆発が起きて、とてつもない計算量になってスーパーコンピューターでも解けなくなります。しかし実際は全ての条件を評価する必要はなく、現実的な条件に範囲を狭めれば実用的な答えを出すことができます。

これは生産スケジューラとして商品化されていますが価格が高く、生産現場をモデル化するのが大変なため、あまり普及していません。しかしこの点を改善し、低価格で使えるクラウド型のソフトが出れば広く普及する可能性があります。今まで生産管理を行ってきた熟練社員が退職し、また製造工程の条件が増えてくると人が最適化するのは困難になるからです。
 

仮想工場で作業環境の最適化

3Dモデルを作成し、仮想空間で製造現場が構築できると、実際の作業者を仮想空間で作業させ、作業性や生産性を事前に評価することができるようになります。これはAR技術とVR機器の進歩により、作業者にVRゴーグルをつけて、あたかも実際に作業しているような感覚でコンピューターの仮想空間で作業を体験します。その中で、作業ミスをしやすい点、危険な点等を事前に発見し、改善することができます。

遠隔からの顧客に対し、AR技術を使って設備の立会を行う試みもあります。設備や製品など現物はPCのモニターからの情報だけでは、本当に良いかどうか判断できません。音声や視覚に現れない情報、実際の動きなどを見るために、重要な設備や製品は「立ち合い」が効果的です。そこでVR・AR技術を用いて、スピーカーやモニターだけでは伝えきれない情報を伝えることで、あたかも現場にいるかのように遠隔での立ち合いが実現します。

ドローンを使って工場の外観、内部を撮影すれば、今までとは別の視点で観察でき、現地での立ち合いよりも多くの情報を伝えられる可能性があります。
 

7. 静かに始まっている本当の変化

このように考えると、

  • リアルな現場がある
  • 自動化、試作レス、事前検証などデジタル化の強いニーズと問題意識
  • データやモデルが十分にあり、最適化のロジックが組める

こういった条件に合致する製造業はDXが最も進歩する分野といえるでしょう。実際これら紹介した取り組みは多くの工場ですでに行われています。

図11 DXで仕事は変わるでしょうか

図11 DXで仕事は変わるでしょうか


 

「すり合わせ型ものづくり」優位論

日本の製造業の優位性「すり合わせ型ものづくり」、これは言い換えれば、個人(や組織)の高い能力が様々な製品や製造工程を最適化できることです。しかし考慮すべき条件が増えて複雑化すると、人による最適化は限界に達します。

将棋や囲碁の例でもわかるようにコンピューターの能力が向上すれば、最適化の能力はコンピューターが人を上回ります。この時日本の「すり合わせ型ものづくりの優位性」は維持できるのでしょうか。

データを集めてアルゴリズムで処理して最適条件を見つけるのは、熟練の技術がなくてもできます。その点では、ものづくりの歴史の浅い新興国でも優位に立つことができます。

例えば半導体はかつて、すり合わせ型のものづくりをしていました。しかし設備が進歩し、それぞれの製造工程が前後の工程に影響せず、独立をして調整すればよくなった結果、工場の能力の優劣は、工場内の設備の負荷の調整という最適化の結果で決まるようになりました。その結果、台湾、中国の半導体メーカーと、日本メーカーの差はなくなりました。
 

プロセスとデータサイエンスの融合

一方、どのようなデータを収集し、どのような観点で分析するかは、プロセスとデータ分析の両方に深い知識がなければできません。その点で優れた生産技術者、プロセス管理者が多い日本企業にアドバンテージがあります。

熟練の生産技術者にデータサイエンティストが協力して、現場で発生するビッグデータを使って最適化の仕組みをつくります。今まで人がやっていたよりもはるかに効率の良い工場や現場の構成ができ、運用できる可能性があります。

コンピューターの特徴は高速性です。現場でPDCAを回すには、実際に現場のレイアウトを変えて、生産してデータを取る必要があります。少なくとも数日、工場によっては何ヶ月もかかります。しかしコンピューターがそのレイアウトの結果を出すのは数秒もかかりません。

そして結果が悪ければモデルを組み直せばよく、しかもモデルを組み直すロジックもアルゴリズム化することもできます。コンピューターが自動でモデルを組み直せばPDCAを短時間に何万回も回すことができます。これは熟練の管理者でも適いません。

Google DeepMindが開発した「AlphaGo」は2016年に世界トップ棋士の一人の李世乭 (Lee Sedol) と戦い、4勝1敗と勝ち越しました。

2017年10月に発表された4代目の「AlphaGo Zero」は、棋譜やビッグデータを必要とせず自己対局によって強化します。全くの初心者の状態から3日間でプロのレベルに到達し、21日目に2代目「AlphaGo」 と肩を並べました。40日間の学習後は、2代目「AlphaGo」 に100戦全勝しました。

「AlphaGo」は、これまでプロ棋士が考えつかなかったような斬新な打ち手を数々打ち出し、囲碁界に大きな衝撃を与えました。今ではプロ棋士が「AlphaGo」などコンピューターの打ち手を研究し、それが流行の布石・定石となり、囲碁の考え方に変革を起こしました。
 

逆に、人の能力と人による管理に固執すると、システムによる最適化やビッグデータの活用が進みません。コンピューターが計算した最適化の結果は今までの常識に反するかもしれません。その結果に対する根拠はコンピューターすらわかりません。
同様に保守的な管理者が

AIの出した常識外れの方法を受け入れるかどうかは管理者次第です。

 

加速する日本の優位性の喪失

「熟練の職人」、「高度な技術」と言っても、その多くはトップアスリートの技術や人間国宝の技ほど高度ではありません。そこまで高度なものを必要とすれば、安定した品質の工業製品を大量に生み出せません。つまりものづくりの高度な技能とは、長年の経験の積み重ねによる知識、判断、使いこなしの部類といえるでしょう。

これまではそれを人が所有していたため模倣が困難でした。また、人がそれを実行するためには、それを実行するような組織文化も必要になります。文化がなければいくら良い手法を指導しても、定着は困難です。

しかし多くの生産プロセスはNC化、自動化、コンピューター制御化しています。これらの条件を最適化するのはコンピューターでもできます。しかも高速で人よりも最適解を出せる可能性があります。NC工作機械やロボット、無人搬送車、自動倉庫で構成された工場をシミュレーションし、最適化するのは人かコンピューターのどちらが有利でしょうか。

そこに気が付きいち早く取り込んだ国に対し、日本はアドバンテージを保ちうるのでしょうか。

以下は人が手放したものです。人とコンピューター、どちらが有能かどうか、考えるまでもないでしょう。

  • 最適な道順 カーナビ
  • 構造体の強度 応力解析
  • 飛行機の操縦 フライバイワイヤシステム
    (B-2など最新の軍用機はコンピューターによる制御がなければ真っ直ぐですら飛べない)

 
本記事は未来戦略ワークショップのテキストから作成しました。
 

参考文献

Information Technology and the Good Life Eric Stolterman, Anna Croon Fors
「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」経済産業省
「DXレポート2 (中間取りまとめ)」経済産業省
「いちばんやさしいDXの本」 亀田重幸、遠藤経著 インプレス
「デジタルトランスフォーメーションで何ができるのか」西田 宗千佳 著 講談社
「テクノロジーを持たない会社の攻めのDX」内山悟志 著 クロスメディア・パブリッシング
「イラスト&図解でわかるDX」兼安暁 著 彩流社
「世界一わかりやすいDX入門」各務茂雄 著 東洋経済新報社
「現場が輝くデジタルトランスフォーメーション」長谷川康一 著 ダイヤモンド社
日経ものづくり 2020年8月号
 

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