高く売るには? 商品のポジションを変えろ!
スニーカーでなく、フィットネスジムとして3万円で販売したスニーカー
この商品は何か、つまりポジショニングを決めることは、
その商品の売れ行きや収益性を決めてしまいます。
消費者の心の中には価格のアンカーと呼ばれるものがあります。
例えばペットボトル飲料なら150円、居酒屋なら2,000円~3,000円、
靴なら数千円といったところです。
この心理的な相場の中で消費者は高いとか、
安いとか判断して購入しています。
ところが商品のポジションを全く違ったジャンルのものに変えてしまうと、
この価格のアンカーを変えてしまうことが出来ます。
理由は、研究開発費用がたくさんかかっているとか、
特殊な素材を用いているといった事情がいろいろあります。
そのような場合は、商品のポジショニングを変えてしまうのです。
1足3万円のスニーカーを売るポジショニング
MBTという健康スニーカーがあります。
アフリカのマサイ族の歩き方を研究して作られた、
マサイ族のような健康な立ち姿と、躍動的な下半身を
つくる靴として人気が高い靴です。
でも、マサイ族がこれを履いているわけではありませんが。(笑)
この靴は1足3万円ととても高いのですが、その理由は、
MBTはこのスニーカーを「これは世界最小のフィットネスジムです」
として売っているためです。
3万円のスニーカーでは、ごく一部の人にしか売れないでしょう。
しかしフィットネス器具だとして売れば、数万円のフィットネス器具は普通の価格帯です。
そのうえMBTは世界最小で外出中に常にトレーニングできるという付加価値がついていますから、結果として3万円でも買っていく人がたくさん出ました。
同様にリーボックのイージートーンは、
歩くだけで「美脚」になるとPRして女性の心をつかみました。
MBTのように新たな機能を付加し商品のポジションを変えてしまうことは、
高く売る際の重要な技法です。
私の知っている印刷会社も、名刺を超小型パンフレットとして販売しています。
名刺であれば、今や1枚数円ですが、超小型パンフレットであれば
1枚100円でも買ってくれます。
それは、単に名前と会社名住所を紹介するだけのものから、
商品やサービスを説明するものに役割を変えたからです。
そして新規開拓のためのツールとしてPRしています。
価格競争により収益の悪化に苦労されている場合、
一度商品のポジションを見直してはいかがでしょうか。
ただし、新しいカテゴリの商品として認知してもらうには
広告宣伝など、それなりの費用と苦労がかかります。
それも合わせて、事業を計画する必要がありますが…。
編集後記
ポジションを変えることと、誇大広告は違います。
リーボックは、米国では「痩せる」という機能が誇大広告であると訴えられ、
19億円の和解金を支払いました。
履くだけでふくらはぎの筋肉が11%強化されるというデータに
問題がありました。
日本では、学術論文のデータの信ぴょう性が話題になりましたが、
大メーカーがPRするデータも怪しいとは、寂しい限りです。
『マーケティング調査の落とし穴』についての記事は、こちらから参照いただけます。
経営コラム ものづくりの未来と経営
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