「中国経済の誤解 ~学ぶべきマクロ経済コントロールと今後の課題~ その1
中国経済については「不動産バブル」「シャドーバンク」などマイナスの面をことさら強調して、危機を煽り立てるような報道や書籍が目につきます。現実には、不動産バブルは崩壊せず、リーマンショックも乗り切って、成長を続けています。どのように中国の指導者層が困難を克服してきたのか、冷静な書籍や報道は多くありません。今回取り上げるトーマス・オーリック著「中国経済の謎―なぜバブルは弾けないのか?」この本は、あえて政治には触れず、中国の指導者層の経済政策に焦点を当てて詳細に書かれています。この本を取り上げてこれまでの中国経済の巧みな運営と、今後のリスクについて2回に分けて説明します。1回目は中国の政治体制と、日本のバブル崩壊、アジア通貨危機から彼らが何を学んだかについてです。