経営コラムまとめ|原価計算・原価管理・値上げ
この原価は正しいのか?利益はいくらか、赤字になっていないか?
~原価計算から原価管理、値上げまで、利益確保に必要な取組のガイド~
受注単価が上がらない一方で材料費や電気代の上昇、賃上げにより、原価は上昇しています。
これまでのように「言われた価格で受注しても利益が出る」時代ではありません。
必要なのは、
- いくらでできるのか(原価の予測)
- 本当はいくらでできたのか(実績原価)
- どう値上げ交渉するのか(値上げの根拠)
このページでは、原価計算の基礎から実務、値上げ交渉まで、中小製造業が現実に直面している課題を整理しました。
なぜ今、原価計算と原価管理が重要なのか?
これまで多くの製造業では、
- 受注量が増えれば原価は下がる
- 改善を続ければ利益は出る
- 定期的な値下げ要請も吸収できる
という前提で経営が成り立っていました。
実際、生産量が拡大していた時代には、原価は自然と下がり、利益も確保できました。
しかし現在は、
- 市場規模は横ばい、あるいは縮小
- 材料費・人件費・電気代は上昇
- 価格競争は激化
という状況です。この環境では、「なんとなく利益が出る」ことはありません。
まず必要なのは、
- ✔ 「いくらでできるのか」実態に近い原価の予測(見積)
- ✔ 受注した製品が「本当はいくらでできたのか」実績原価の把握
会社全体の利益だけを見ていても、どの製品が利益を生み、どの製品が足を引っ張っているのかは分かりません。
さらに原価が上昇している場合、原価低減(コストダウン)と値上げ交渉のどちらか、あるいは両方が必要になります。
そのためには、実態に近い原価を計算する仕組みが必要です。
原価計算の知識は、なぜ必要なのか
「原価計算が大事だ」と言われても、
何から始めればいいのか分からない/会計の話は難しそうだ/大企業向けの仕組みは自社には合わない。
そう感じる方も多いかもしれません。
しかし中小製造業に必要なのは、複雑な制度原価計算ではありません。必要なのは、たった2つです。
- ✔ 「いくらでできるのか」実態に近い原価の予測(見積)
- ✔ 「本当はいくらでできたのか」実績原価の把握
この2つが分かれば、
- 見積の精度が上がる
- 赤字案件の原因が分かる
- 値上げの根拠が作れる
原価計算は、難しくする必要はありません。
“利益に影響する部分”を押さえることが重要です。
その基本的な考え方を、【原価計算と見積の基礎】で整理しています。
実務で起きる様々な原価の疑問と、原価管理の考え方
原価計算の考え方を理解しても、実際の現場ではさまざまな疑問が出てきます。
- 設備費はどう考えるのか
- 小ロットはどこまで割高になるのか
- 利益はどれくらい必要なのか
- 細かく計算すればするほど正確なのか
数字を細かく追いかければ、いくらでも精緻にできます。
しかし、それが会社の利益にどれだけ影響するのか。ここを正しく判断しないと、
時間と手間はかかっているが利益に貢献していない作業が増えてしまいます。
重要なのは、細かい数字を作ることではありません。
その数字を使って利益を増やす活動を実際に行うこと、すなわち原価管理です。
数字を出しても利益は増えません。
作業を減らす、時間を短くする、やり方を変える。何かを変えて初めて利益は変わります。
実務で起きる原価の疑問と、原価管理の取り組みを 【実務での原価の疑問と原価管理】でまとめています。
値上げ計算と値上げ交渉
これまで原価管理と言えば「コストダウン」でした。
しかし現在は、
- 電気代の上昇
- 材料費の高騰
- 賃上げ
こうした原価上昇はコストダウンで吸収しきれなくなっています。
その分を値上げしなければなりません。
それには、
- いくら上がったのか
- どの費用が上がったのか
- 製品にどれだけ影響しているのか
といった数字が求められます。
取適法などの法規制もあり、一方的な値上げ拒否は難しくなっています。
しかし詳細な数字が出せなければ、交渉は難しくなります。
値上げ金額の考え方と交渉のポイントを 【製造業の値上げ交渉】で解説しています。
見積 → 原価管理 → 原価低減・値上げ のPDCA
利益を出し続けるには、以下の改善のサイクルを回し続ける必要があります。
- 見積(原価の予測)
- 実績原価の把握
- 目標との差の確認
- 原価低減または値上げ
- 見積への反映
もし目標原価を達成できなければ、
- 見積が甘かったのか
- 生産性が下がったのか
- ロット条件が変わったのか
原因を分析し、次に活かします。
原価計算は数字を出すためのツールではなく、改善を回し続けるための仕組みです。
なぜ改善を回し続けなければならないのか。
それは自社を取り巻く環境が変わってきているからです。
気づかなければ改善は遅れ、競争力を失ってしまいます。
こうした経営環境の変化や技術進歩については、 経営コラム【ものづくりの未来と経営】で整理しています。
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