展示会でブースに人を呼び込むには、顧客が「自分に関係がある」と感じる情報を提示することが重要です。自社の製品説明ではなく、顧客の具体的な課題や悩みを解決するキャッチコピーで関心を引きつけましょう。
新規開拓を期待して出展した展示会、ところがあなたの会社のブースは人影もまばらで閑散としています。
人が来ないと、時間がとても長く感じられます。
せっかくお金を使って展示会に出ても、あまり人が来ないまま終わってしまう。

なぜでしようか?
人は自分のことにしか関心がない
ブースに人が来ない理由は
- 会社の知名度が低いから
- ブースが小さいから
- 装飾が地味
- きれいなお姉さんがいないから
そうでしょうか?
例えば、あなたが一番関心のあることは何でしょうか?
それは自分のことですよね。
お客様の心理状態
では、あなたが展示会に行ったとき、どうでしたでしょうか?
展示会の目的は、大抵は情報収集ですよね。
あなたは展示会場で講演会を聴いて、主なメーカーのブースを回って情報を収集しました。
両手にはカタログや資料の入ったずっしりと重い紙袋を持っています。足もかなり疲れているのではないでしょうか。
頭の中では、「このまま帰ろうか、会社に戻って仕事をしようか」考えています。

その時、派手なブースがあったら入ってみたいと思いますか?
きれいなお姉さんがいたらどうでしょうか?
それでも自分にあまり関係のないテーマであれば、わざわざ入らないのではないでしょうか?
そんなときに人を引き付けるのは
「自分に関係あること」
です。
ダイエット特集が人気の理由
なぜテレビでダイエット法を紹介すると視聴率が高いのでしょうか?
たまたまテレビでダイエットをやっていると多くの人が見てしまうのはなぜでしょうか?
それは「自分に関係がある」と思うからです。つまり、これは自分にとって得する情報かもしれないと思うからです。これが同じダイエットでも、
「実業団ランナーのフルマラソン2時間10分で走るための体重管理方法」
「女子体操選手が個人総合優勝するため、スタミナを落とさず体重を減らす方法」
は、大半の人が自分に関係あることとは思わないでしょう。
では、皆さんのブースには、お客様のお得になる情報はありますでしょうか?
広告の過ち
実は世の中の広告の多くにも過ちがあります。
それは多くの広告は
お客様が、
「あなたは何者? 製品は何? 営業時間は? 場所は? いくら?」
ということを聞きたいと思っていることを前提に作られています。
しかし、あなたはその広告を見て思います。
「それはいったい私とどんな関係があるの?」
つまり内心
「君の話は聞きたくない。
それは私にとって何かいいことがあるのか?
儲かるのか?
異性にもてるのか?
妻の機嫌がよくなるのか?
かっこよくなるのか?
そうでないなら、私の時間を奪わないで欲しい!」
と思っているのではないでしょうか。
お客様の関心のあることとは?
お客様が何に関心を持っているのか?
そのためにはあなたのお客様が誰なのかわかる必要があります。
どんな業界のどのような職種の人なのか、
見当がつかなければ最初は仮説を立てて推測します。
人が関心を持つことは、得することか、損することか
お客様が関心を持つのは、
- 自分にとって得をすること
- 自分にとって損をすること
どちらでしょうか?
あなたは
- これをすれば100万円儲かる話
- これをすれば100万円失う話
のどちらが気になるでしょうか?
行動経済学によれば、人は、同じ100万円でも得をすることよりも、損をすることの方に大きな痛みを感じます。これを数式化したのが「プロスペクト理論」です。
損することをイメージさせる言葉
もし疲れて会場を歩いている時
「大変!○○をしないとあなたの会社は大変なことになる!」
というブースがあったら、無視できないと思います。
「え、そんなえげつないこと出したら、怪しい商売と思われてしまう」
確かにそうですよね。そこでお客様が過去にマイナスであったことや損失を思い出すような言葉を訴えます。
緩まないねじ
例えば、ねじのゆるみ止め加工をしている企業があります。この会社は展示会で今までとは違う業界を開拓したいと考えました。そこでお客様が「なぜねじのゆるみ止め加工をするのか?」と考え、ねじが緩んで困るという結論になりました。
そこで
「緩まないねじ」
という言葉を大きくPRしました。
「ねじのゆるみ止め加工」と「緩まないねじ」では、同じように感じるかもしれません。
しかしねじが緩むという問題に困っている人には「緩まないねじ」の方がインパクトが大きいです。
ねじが緩む問題に困っていて、しかもねじのゆるみ止め加工を知らないお客様に、緩まないねじを知ってもらえば、値段でなく解決策から商談に入りますので、良いお客様になっていただけます。
メッキ色ムラ
例えば、メッキ処理をしている会社が出展します。大抵は、やれるメッキの種類「硬質クロムメッキ、ニッケルメッキ、クロメート処理」や、処理できる大きさ「大きさは○○まで可能」と書いて「お気軽にご相談ください」とPRします。
でも、この中にお客様が困っていることはありません。
では、お客様は何に困っているでしょうか?
メッキの色ムラ、液だれや膜厚のばらつきでしょうか?
メッキの色ムラであれば、
「メッキの色ムラなし!完全同色を実現します!」
とPRします。
そうすると、今までメッキの色ムラに悩んでいた人は、思わず目を止めます。
膜厚のばらつきであれば
「膜厚1ミクロンまで制御!」
とPRすれば、膜厚のばらつきに悩んでいた人は、思わず目を向けます。
絞り込んでもお客様は減らない
そこまで絞って大丈夫?と心配なるかもしれません。
でも、大丈夫です。
お客様は、色ムラのないメッキができれば、その会社は技術レベルが高いと考え、他の課題で困っていても聞きに来ます。そしてこういった課題を持ったお客様とは、短時間でも内容の濃い話が最初からできます。
しかし一般的な内容でPRすると、お客様との会話の中で真の課題をたどり着くまでに、いろいろと質問しなければなりません。そして時間がかかってしまいます。
こうして自社のブースに目を向けてくださったお客様に、確実にブースに入ってもらう役割が「展示品と展示パネル」です。
これについては、次の機会にお伝えします。
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